将来の成長を見据え、近鉄グループの資産を活用する!=近商ストア 堀田 正樹 社長

聞き手:下田健司
構成:森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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イトーヨーカ堂の運営ノウハウを取り込む

──2つの店舗フォーマットでSMを展開しています。

堀田 1つは、レギュラーSMの「スーパーマーケットKINSHO」。もう1つは、高質SMを志向する「食品専門館 ハーベス」です。店舗規模は、両フォーマットとも売場面積1000~1500平方メートルを基準としています。

 「食品専門館 ハーベス」は、20年以上前から出店しており、競合他社ではあまり扱っていないような差別化商品を全体の5~10%取り入れたフォーマットです。店内を落ち着いた雰囲気にして、陳列にも高級感が出るように工夫を凝らしているほか、新たな商品や食べ方の提案にも力を入れています。

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──年間の出店数はどれくらいですか。

堀田 ここ数年は、年2店を目標に出店を続けています。10年8月の上本町店(大阪府大阪市)と13年3月の五位堂店(奈良県香芝市)は、「食品専門館 ハーベス」です。中でも、上本町店は高質フォーマットの旗艦店という位置づけです。売場面積は970平方メートルとコンパクトながら、差別化商品をより充実させています。オープン以来、今も来店客数、売上高ともに伸長しており、好調に推移しています。

──レギュラーSMの「スーパーマーケットKINSHO」では、イトーヨーカ堂(東京都/亀井淳社長)のノウハウを取り入れ、新しい手法による店づくりを始めました。

堀田 今年4月にオープンした大和高田店(奈良県大和高田市)では、提携するセブン&アイグループのイトーヨーカ堂の持つ店舗運営ノウハウを取り入れ、新しい店づくりにチャレンジしました。合理的な店舗運営手法を確立しているイトーヨーカ堂の考え方を、当社に定着させるのがねらいです。

 イトーヨーカ堂から6人の社員を大和高田店の店長やチーフに迎えました。当社の社員は、各リーダーの下について、仕事のやり方を学んでいるところです。店舗の運営方法だけでなく、出店前の商圏調査の段階から、イトーヨーカ堂のやり方を実践しました。緻密な調査を繰り返し、地域ニーズを売場に反映させる手法は参考になります。

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──イトーヨーカ堂の手法の導入は、ほかの既存店の運営にも好影響を与えそうですね。

堀田 大和高田店以降、それ以外の店でも商品の鮮度管理を徹底して行うようになりました。従来も入念な鮮度管理を行ってきましたが、鮮度確認の頻度を上げるなど、取り組みを強化しています。これからも、イトーヨーカ堂の手法を定着させながら、当社独自のよさを磨いて、競争力ある店づくりをめざしていきたいと考えています。

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構成

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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