タニタと組んで体組成計でスーツサイズを提案 はるやまの「真のねらいはここにある!

西岡克
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紳士服チェーンのはるやま商事(岡山県/中村宏明社長)は計測器メーカーのタニタ(東京都/谷田千里社長)と協業し、体組成計に乗るだけで健康チェックができ、お薦めのスーツサイズと商品シルエット(型)を提案する新サービスを開発。4月28日から「はるやま吉祥寺店」(東京都武蔵野市)と「はるやま岡山大安寺店」(岡山県岡山市)の東西2店でトライアル展開を開始した。効果検証の後約30店に拡大し、将来的には全店展開をめざす。

はるやま商事の中村宏明社長(左)とタニタの谷田千里社長

体組成計に乗るだけでスーツサイズを推定

 これはタニタが開発した体組成データから体形を推定する新技術とはるやまの商品情報を組み合わせたもので、利用するお客にフィットするお薦めの商品サイズと商品シルエットのスーツやフォーマル、パンツやスカートを自動で提案する。コロナ禍によって高まった購入時における店舗スタッフとの接触を減らしたいというニーズに応え、買物時間の短縮につなげる。

 お客は店舗でメジャーを使って採寸してもらう必要がなく、店舗に設置された機器のタッチ画面に性別、年代、身長を入力し、靴下を脱ぎ2つのグリップを握って体組成計に乗れば、20~30秒で男性なら「A6号かA5号」、女性なら「9号か7号」といった具合にお薦めのサイズが表示される。併せてお薦めの商品シルエットのブランドが表示され、お客の商品選びを手助けする。

 新サービスで使われるタニタの技術は、体組成計で計測した生体情報を基に、いったん体形全体を予測。それに15~20の変数を加えて、首回り、お腹回り、胸囲、ゆき丈、ヒップ、太もものサイズやBMI(肥満指数)、体脂肪率などを推定するもので、これがタッチ画面に表示される。同社がこれまで培ってきた体組成測定技術を応用した。この技術による男性スーツサイズの一致率は96.2%、女性スーツサイズの一致率は95.2%に上るという。

 メンズスーツのサイズは体形によって40スタイル以上あって複雑で、来店するほとんどのお客が店舗スタッフによる採寸を受けている。お客が自分で素早くサイズ選択できるようにすることで、店舗スタッフに頼らずお客は自由に商品を選べる買い物の選択肢を持つ。また店舗業務を効率化し、余力を本来の接客の充実や店舗スタッフの教育に振り向ける。

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