調剤薬局買収に共同出店…活発化するスーパーマーケットの対ドラッグストア戦略
クスリのアオキをはじめ、食品の領域を深耕するドラッグストア(DgS)が全国で攻勢をかける今日。彼らとの競争にさらされた食品スーパー(SM)でも、従来のビジネスモデルとは一線を画したフォーマット開発や売場刷新などによって対抗しようとする動きが活発化しつつある。SM業界における直近の動向をまとめた。
DgSの領域に攻め込むSM
クスリのアオキに代表されるフード&ドラッグのプレーヤーは、生鮮を含む食品を豊富に扱うことで競争力の高いフォーマットをつくり上げた。その一方でSMは、食品、とくに生鮮という絶対的な差別化カテゴリーをDgSに侵攻されたことで、その優位性が低下しつつある。
なかでも、地場SMを買収することで、彼らが持つ生鮮の仕入れルートや運営ノウハウをそのまま手中に収めるというクスリのアオキの動きはあまりにインパクトのある出来事だった。それによってクスリのアオキの食品売場は大きくレベルアップし、SMにとってはDgSというよりも、“同業との戦い”を強いられることになったからだ。
しかし、SMもクスリのアオキのようなフード&ドラッグ業態の勇躍を、指をくわえて見ているわけにはいかない。「生鮮」で圧倒的な差別化が難しくなった今、一部のSMはDgSと共同出店して売場を融合させたり、非食品のカテゴリーを強化したりと、DgSの領域に踏み込むような動きを見せ始めている。つまり、SM側からDgSにさまざまなかたちでアプローチすることで、SMの食の専門性をベースとした、ワンストップショッピングの利便性を提供しようという試みである。
“アオキ対策”としても有望!?カスミの新業態「BLANDE」

今年1月28日、茨城県つくば市にオープンした「BLANDE(ブランデ)つくば並木店」(以下、つくば並木店)。カスミ(茨城県/山本慎一郎社長)が「新しいSMの価値の追求」を標榜して開発した新業態の1号店である。
同店の大きな特徴となっているのが、DgS最大手のウエルシア薬局(東京都/松本忠久社長)との「売場の融合」である。カスミの売場に
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