TOKYO BASEがZ世代から支持される理由と東京がショールーム都市になる衝撃

河合 拓 (株式会社FRI & Company ltd..代表)
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「ユニクロTOKYO」と「TOKYO BASE」の共通点

UNIQLO TOKYO
UNIQLO TOKYO (2020, Diamond ChainStore)

「ユニクロ TOKYO」という銀座限定のMade in Japanブランドにも「TOKYO」の文字がフューチャーされていることにお気づきだろうか。私は、TOKYO BASE」も「ユニクロTokyo」も同じ戦略だという大胆な仮説を感じた。

考えてみて欲しい、今人口構成比の50%50代以上という超高齢化社会となっている日本という国の将来を。その現状でさえ毎年20億枚もの余剰在庫を供給し倉庫に眠っているのだ。そして、Z世代が次の10年に頭角を現すとしたら、日本のアパレルの供給量は、70%以上は買われることもなく余剰在庫になるだろう。しかも、Z世代は中古衣料品を好んで買う。私も二人の娘(27歳、23歳)と代官山にいってショッピングを楽しむのだが、「宝探し」のように楽しい。

このように考えれば、将来10年の日本市場は悲観的だ。しかし、TOKYOはアジアのブランドシティになっている。これは、アジアの人と話をすれば分かるが、彼らアジア人はTOKYOを文化や芸術、ファッションの発信地としてリスペクトしている。私が韓国で講演をした際、講演前日に財閥幹部たちと食事をしたのだが、反日感が強いといわれる韓国でさえ、「日本は私たちの先生だった。仁川空港は関西空港の失敗事例を徹底研究して建設した。古くは自動車産業もお手本だった。しかし、今は学ぶモノがなくなった。あなたが久しぶりだ。アパレル産業の失敗事例を教えてもらいたい。私たちにとってTOKYOはブランドだ」といわれたのを思い出す。

確かに、TOKYOはアジアのファッションシティだ。渋谷の街を歩いていると、「ドラム缶」のようなズボンをはき、黒魔術を使うのかの如くゾロッとした服を着て街を闊歩している若者がいる。女性はコスメが上手になり、衣料品に過度な装飾はないがみな自分なりのファッションを楽しんでいるように思う。彼女たち、彼らのような「普段着」で自然に街を歩いている人が生息するファッションシティはTOKYOぐらいだ。

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記事執筆者

河合 拓 / 株式会社FRI & Company ltd.. 代表

株式会社FRI & Company ltd..代表 Arthur D Little Japan, Kurt Salmon US inc, Accenture stratgy, 日本IBMのパートナー等、世界企業のマネジメントを歴任。大手通販 (株)スクロール(東証一部上場)の社外取締役 (2016年5月まで)。The longreachgroup(投資ファンド)のマネジメントアドバイザを経て、最近はスタートアップ企業のIPO支援、DX戦略などアパレル産業以外に業務は拡大。会社のヴィジョンは小さな総合病院

著作:アパレル三部作「ブランドで競争する技術」「生き残るアパレル死ぬアパレル」「知らなきゃいけないアパレルの話」。メディア出演:「クローズアップ現代」「ABEMA TV」「海外向け衛星放送Bizbuzz Japan」「テレビ広島」「NHKニュース」。経済産業省有識者会議に出席し産業政策を提言。デジタルSPA、Tokyo city showroom 戦略など斬新な戦略コンセプトを産業界へ提言

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