〈特別企画〉ホームセンターバイヤーが選ぶ年間ヒット商品2018 Diamond Home Center
■ マーケット&プロダクト
物置のイメージに変革をもたらしたデザイン性と機能性を両立させた新シリーズ
2000年に発売した物置シリーズ「グランプレステージ」を16年にフルモデルチェンジ。「グランプレステージ・ジャンプ」として登場した商品だ。それまでの物置の概念を大きく変えるファッション性が市場で高く評価され、ヒット商品へと成長している。
「デザインへの評価が高く、ホームセンター(HC)様でも露出を増やしていただけた結果、順調に販売数を伸ばしています。近年の一般的な一戸建て住宅は収納性の充実・工夫によって、屋内の収納スペースが増える傾向にあります。その分、物置は小型タイプが主流になってきていますが、やはり家の中に収納するには適さないものがありますから、今後も物置は成長性を持つカテゴリーだと考えています」と、同社商品開発部本部長・矢野孝二氏はみている。
こうしたニーズの変化に対応するため、「グランプレステージ・ジャンプ」は、同シリーズの大きな特徴であるカラーやサイズバリエーションの充実を図ってきた。
16年春の3種類先行発売に続き、夏からは新色を含めた8色をラインアップしている。同時にデザイン面でも、庭の雰囲気を壊さないファッション性を考慮。住宅回りの買い物の決定権を持つ女性層にも受け入れられやすい〔おしゃれ〕感覚を重視している。
さらに同社は、売場での提案力を強化することで他社との差別化を図ってきた。商品の特徴や使い方などについての情報を発信する専用のPOPや販促物を作製、使用シーンを想起させるような売場づくりを提案している。消費者が商品の実物を実際に見て、魅力を実感することが購入につながるため、HCサイドにもメリットのある売場提案を強化することで、売場の拡大と市場の活性化をめざしている。
■ メーカー(担当者)のコメント
18年春から新プロジェクト「アルテグラフィカ」スタート
「グランプレステージ・ジャンプ」は、現代の住宅事情にフィットする小型物置であると同時に、ファッション性の高い物置シリーズとして開発されました。物置に求められる耐久性を大前提とした上で、使いやすさを追求したユニバーサルデザインの導入や、多様なカラー展開は、おかげさまでお客様に好評をいただいております。
しかし各家庭の庭にある“ニッチな需要”を確実にとらえるという意味では、まだまだ提案できることがあるのではないかと考えています。そうした観点から2018年から新しい塗装技術でさらにデザイン性を追求する「アルテグラフィカ」というプロジェクトを立ち上げています。そのひとつである「ペインタ」は、UVインクジェット塗装の技術を活用し、物置や収納庫に画像をプリントするものです。
文字やイラスト、風景、植栽のほか、木目などを、画像データをもとに印刷し、オリジナル性、ファッション性の高い商品を提案します。基本的にはデータがあれば、デザインのバリエーションは無限に広がります。この技術で再現される色合いは、シックで落ち着いた雰囲気が特徴。もとになる物置は「グランプレステージ・ジャンプ」と共通ですが、プリント加工をしやすくするため、より凹凸の少ない設計の扉を採用しています。
新しい挑戦を続けることによって、エクステリア市場の活性化を図り、今後もHC各社様の売上や利益確保に貢献していきたいと思います。
(商品開発本部 本部長 矢野孝二氏
商品開発本部 次長 日野大治郎氏)