売上規模日本一のドラッグストア企業誕生!

2014/10/23 00:00
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 イオン(千葉県/岡田元也社長)は、10月22日、ドラッグストア事業を一本化する、と発表した。

 まず、10月23日からイオンが持分法適用会社であるウエルシアホールディングス(東京都/水野秀晴社長)の発行済み株式50.1%以上を取得し子会社することをめざしTOB(株式公開買い付け)を実施。その後、ウエルシアホールディングスは、イオングループ内にあるCFSコーポレーション(神奈川県/宮下雄二社長)、タキヤ(兵庫県/石井和正社長)とシミズ薬品(京都府/石田伸二社長)の3社を株式交換の形で完全子会社化する。

 ウエルシアホールディングスは、経営統合後の2015年9月には、売上高5600億円、営業利益185億円、店舗数1400店舗(内調剤併設店800店舗)となる。現在首位のマツモトキヨシホールディングス(千葉県/松本清雄社長:2014年3月期売上高4954億円)を抜き去り、日本最大のドラッグストア企業が誕生する。

 

 以下は、記者会見における岡田元也社長の発言(文責:千田直哉)。

 

「グループのドラッグストア事業をウエルシアに一本化し国内ナンバーワンのドラッグストアチェーンの構築を目指す。これによって、イオンは、新しいビジネスの柱を確立することになる。グループを挙げて、《ヘルス&ウエルネス》マーケットへの取組を本格化させていきたい」

 

「ドラッグストア市場の規模は、現在約6兆円だが、高齢社会の進展に合わせて2020年には8兆円規模に成長することが見込まれる有望市場だ。約3300万人を数える新しい消費に対して、①予防、②治療、③介護などの商機が存在する」

 

「だが、ドラッグストア業界を取り巻く環境は非常に厳しく単純なものではない。現在、ドラッグストア業界は群雄割拠の状態だが、今後は、M&A(合併・買収)が加速していくだろう。ドラッグストアの出店は、規模規制がかからずに自由であることも考えると、短期間のうちに上位集中化していくと予想できる」

 

「ドラッグストアは比較的若い業界でもある。調剤も確固たるビジネスモデルは不在であるので、イオンは、ウエルシアホールディングスを中核企業として、この分野でも業態確立を急ぎたい」

 

「今回の経営統合はイオングループの展開する事業間の相乗効果発揮も喚起できると考えている。たとえば、食品スーパーでは、食品における《ヘルス&ウエルネス》というものがある。生活者の価値観は、従来の『新鮮』『おいしい』『便利』『安全・安心』から『健康で長生き』とシフトしており、食品スーパーも大きく変わっていかなければいけない時期に来ている。その意味では、食品スーパーも食品に加えて、ドラッグストアが扱うような薬品をはじめとする非食品部門のラインロビングを実施して品揃えに加えていく必要がある」

 

「ドラッグストアも現在は、どんどん食品の取り扱いを増やし、食品スーパーからシェアを奪っている。さらに、これを進めるためには業態として食品全般のレベルアップを図る必要がある。相当な改革が求められるがイオンは、この部分のバックアップをしっかりできると考えている」

 

※出張のため明日のBLOGはお休みします。次回の更新は10月27日になります。
 

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