日本香堂に一本取られました

2009/12/02 00:00
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 師走に入ると、喪中ハガキが次々と舞い込むようになる。

 賀状のやり取りだけの付き合いになってしまった方から届くことが多いので、大抵は、そのままにしておけばなんとかなるものだ。困ってしまうのは、近しい付き合いをしていたつもりなのに、亡くなったことを知らなかった場合だ。

 いまさら香典でもないし、「どうしよう」と迷っていたところに、日本香堂(東京都/小仲正克社長)のテレビコマーシャルが流れてきた。

 そう、先日、鬼籍に入った噺家の三遊亭円楽さんが40年以上の長きにわたって語り手を務めた「毎日香」や森田公一さんの「せーうん、それは、きみがみたひかりー」の歌が印象的な「青雲」を製造している会社である。

 テレビコマーシャルのシチュエーションは、私の場合と全く同じ。「喪中ハガキが届いたけれど、いまさらどうしていいのか分からない…」という事態発生に解決策を示している。

 結論は、「贈答用のお線香を送りましょう」という内容になるのだが、絶妙のタイミングの提案に、つい購買意欲をそそられてしまった。

 同社のホームページに行って、またびっくり。広告の商品がオンラインショップで購入できるからだ。それだけではない。贈る際の「挨拶状例文集」までついており、思い立ったその日のうちに自宅から心を込めて送ることができてしまうのだ。

 日本香堂は、線香やろうそくなどを扱う会社だけに、古めかしい体質を想像していた。しかし、リーダーの小仲社長はまだ42歳の若武者。

 私の抱くイメージを簡単に覆したマーケティングのうまさには一本取られた気分だ。

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