世代論は人間の個性をなおざりにする

2009/12/29 00:00
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 (財)社会経済生産性本部は、毎年3月下旬にその年度の新入社員の特徴を踏まえたユニークなネーミングを毎年発表している。過去5年間を振り返ってみると…。

 2005年、 発光ダイオード型 《電流を通す(=ちゃんと指導する)と、きれいに光る(=良い仕事をする)が、決して熱くはならない(=冷めている)》

 2006年、ブログ型 《表面は従順だが、さまざまな思いを内に秘め、時にインターネット上の日記を通じ大胆に自己主張をする。繊細な感受性とブログ的なネットワークに優れるが、パソコンに語るだけに止まる傾向もある》

 2007年、 デイトレーダー型 <景気の回復で久々の大量採用だったが、氷河期前とは異なり、細かい損得勘定で銘柄(会社)の物色を継続し、安定株主になりにくい>

 2008年、カーリング型 《カーリング、新入社員は磨けば光るとばかりに、育成の方向を定め、そっと背中を押し、ブラシでこすりつつ、周りは働きやすい環境作りに腐心する》

 2009年、エコバック型 《環境問題(エコ)に関心が強く、節約志向(エコ)で無駄を嫌う傾向があり、折り目正しい》

 

 企業の担当者にとっては、何かの指標にはなっているのだろうが、「同期はみな同じ」と決め付けられる立場になってみれば、「オレは違うぞ」と個性のひとつも主張してみたくなるところだろう。

 実は、2003年までは、企業の教育・研修事業を展開する「現代コミュニケーションセンター」の坂川山輝夫さんが入社前の新入社員教育の現場を踏まえたうえでネーミングしていた。ところが、「新入社員の生態がつかみにくくなった」とネーミングをやめ、社会経済生産性本部が引き継いだ。

 坂川さんが判断した通り、世代を十把ひとからげでくくるというのは、私も無理があると思う。

 

「団塊の世代」「団塊ジュニア」「団塊ジュニアジュニア」などと同類項でまとめられることも本人たちにとっては不本意極まりないはずだ。

 世代の研究は、意味がないとは言い切れないが、世代論は、とかく人間の個性をなおざりにする側面があることも常に留意すべきだろう。

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