残るは看板だけ……大阪・茨木、あの有名チェーンの創業地を訪ねる

2024/01/05 05:59
森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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セブン-イレブン、業務スーパー、マクドナルド──。街を歩くと目に入ってくるのがチェーンストアの看板だ。店舗数は数百、数千、なかには数万におよぶブランドもある。しかし規模に関係なく存在するのが「1号店」で、それを起点に後の躍進があるのは言うまでもない。今回は大阪府茨木市に残る、某チェーンの創業店「跡」を訪れるという話である。

現在、全国に460以上あるなか卯。定番は親子丼とうどん

看板だけが残っている?

 阪急電鉄京都線の「茨木市」駅前──。「socio(ソシオ)」という古びた商業ビルの地階に今回の目的地がある。それは「なか卯」の創業店だ。

 あらためてなか卯について紹介すると、親子丼、うどんなどのメニューが人気の飲食チェーン。同社サイトによれば、店舗数は462(2022年3月末現在)に上る。沿革には「1969年10月第1号店『なか卯茨木店』(手作りうどん店)を大阪府茨木市に出店」と記載されている。

 冒頭、創業店と書いたが、残念なことに2005年、閉店している。しかし検索を続けるうち、その「跡」は確認できると知った。

 なか卯の公式X(旧Twitter)も2022年6月12日、「看板だけは今なお残っているので是非 #なか卯 の1号店跡地を見に行ってみてくださいね」(原文ママ)と発信している。

 看板だけがある、というのはどういうことなのか想像がつかなかった。しかし、それがかえって「現地に行ってみたい」という気持ちを刺激した。ネットで調べて「茨木市」駅前のビルを突き止め、実際に足を運んだ。

 現地に着き、まずは施設の外周を一通り歩いて全体を把握した後、階段で「地下飲食街」に向かう。その途中、テナント一覧とマップがあり、立ち止まって探したが確認できなかった。

阪急電鉄京都線の茨木市駅前にある商業ビル。「地下飲食街」に向かう途中、テナント一覧とマップがあった
施設を歩くうち、入居店を紹介するパネルを発見。店名をひとつひとつ目で追う

 施設は通りを挟んで東西の館に分かれており、構造がわかりにくい。それでも通路を歩くうち、ふと上方に視線をやると、入居店を紹介するパネルを発見。おそらく昔はバックライトにより明るく点灯していたのだろう。

 「ご家族みんなで楽しいお食事を」とのキャッチコピーが書かれたデザインからは、ずいぶん前に作られたものと推測できた。私は、店名をひとつひとつ目で追った。すると「手打うどん なか卯」の文字を見つけた。やった!

「手打うどん なか卯」の文字があった

 さらに施設内を探索すると、シャッターが閉まったままの、ある物件が目に止まる。天井からぶら下がる表示物にも、しっかりと「うどん なか卯 牛丼」と記されていた。

さらに施設内を探索すると、シャッターが閉まったままの、ある物件が目に止まる(写真右側)
天井からぶら下がる表示物にも、「うどん なか卯 牛丼」と記されていた

 ここを起点に、その後、全国へ店舗網を広げたのかと考えると胸が熱くなった。

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記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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