観光地のど真ん中! 京都・祇園の一等地で食べる、リーズナブルながら本格的な親子丼

2023/11/10 05:57
森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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「祇園」と聞くと、地元の人間にも何か特別な響きがある。伝統的な街並みは美しく、舞妓さん、芸妓さんが歩いている場面にも普通に遭遇する。観光客向けの土産物店だけでなく、高級クラブが多く、大人が通う場所とのイメージもある。今回は、そんな様々な顔がある祇園を歩き、親子丼を食べるというお話である。

鶏料理の姉妹店「とり新」で親子丼を食べる

伝統的な町並みの一角にある店

 普段、私はビジネス街の四条烏丸を拠点に仕事をしているが、時々、歩くのが祇園である。同じ京都でも、鴨川を渡った途端、非日常の世界に突入する感じを味わえるのがよいのだ。

 歌舞伎で有名な「南座」は、「八坂神社」「巽橋」などとともに祇園を代表するランドマーク。四条烏丸エリアからだと四条通を東へ進み、鴨川を越えると右手に見えてくる。

歌舞伎で有名な「南座」は、祇園を代表するランドマーク

 その起りは、江戸時代初期の慶長年間に遡る。現在の経営母体は映画、演劇の制作、興行や配給を手掛ける松竹である。

 同社Webサイトによると、慶長8年(1603年)、「出雲阿国、京に至り歌舞伎踊を演ず」とある。慶長19〜20年(1614〜15年)には「四條河原を中心に櫓を構えた芝居小屋が並び始め、女歌舞伎や人形遣いの興行で賑わいを見せる。南座の原初形態か」と記されている。以来400年超、祇園の顔にふさわしい歴史があることがわかる。

 南座から北北東260mの新橋通を中心としたエリア「祇園新橋伝統的建造物群保存地区」は、伝統的な街並みが特徴。少し歩くだけでも京都に来たことを実感できる。夜になるとさらに雰囲気がよく、一度、立ち寄ることをおすすめする。

新橋通を中心としたエリアは、伝統的な街並みが特徴
白川通は京都の風情があり、観光客も多い

 周囲を歩くと、このエリアでしかお目にかかれない店もある。四条通花見小路の交差点を80mほど上(あが)り、つまり北に進んだ西側に小さな履き物店が営業している。下駄や草履といった和服向けの商品を扱うが、店頭にあるショーケースを覗くと、舞妓さんが履く、“厚底”の「おこぼ」が並んでいる。まさに祇園ならではの風景だ。

舞妓さんが使用、“厚底”の「おこぼ」が並ぶ履き物店。祇園ならではの風景だ

 さて今回、食事をするのは前述した「祇園新橋伝統的建造物群保存地区」の一本南にある「とり新」という飲食店である。白川通に面し、やや古びた木造の外観は味わい深い。ここの親子丼を食べようと最初から決めていた。

 同じ建物には、大和大路通と面する西側にも出入り口がある。実は、こちらの方が主で、店名は鶏の水だき・すき焼きを提供する「鳥新」。その姉妹店が、今から行こうとしている「とり新」との位置づけだ。

今回、食事をした白川通に面する「とり新」

 あちこち歩いたのでお腹が空いている。私は早速、暖簾をくぐった。

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記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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