ZホールディングスとLINEの経営統合ついに完了! 経営トップが語る今後の戦略と方針
③フィンテック領域:LINE Pay はPayPayに統合へ
フィンテックについては、金融をもっと身近に、もっと便利に感じられる世界を目指す。「買う」「予約する」「支払う」といったユーザーのアクションに合わせて、最適な金融商品を提供する。また、お金を「借りる」「増やす」「備える」といった、お金にまつわるサービスの利便性も向上させる。
連携する金融機関は自社に限らず、マルチパートナー化する。たとえば、旅行保険や、手持ちのお金が少し足りない時、「LINEポケットマネー」での融資、PayPayでのボーナス運用など、お金にまつわる体験をアップデートする。
また、LINE PayをPayPayへ統合する方向で協議を開始した。Line PayがPayPayのQRコード読み取りに対応するなど、より利便性を高める取り組みを行う。これらによって、フィンテックをメディア、コマースに次ぐ第3の柱としていきたい。
④社会領域:行政、防災、ヘルスケアの領域でDXを推進
社会事業については、官民連携による日本のDX支援、社会課題の解決に取り組む。このうち「行政DX」については、全国の自治体で進むコロナワクチン接種の予約システムを提供する。これは全国約200自治体で導入見込みとなっている。
また、行政手続きの課題の解決もねらう。転出届・転入届などの手続きをスマートフォンで完了できるよう、行政と協力し煩わしさを減らせるよう尽力する。行政の手続きにオンラインという手段を用意する。21年度中に、網羅的かつわかりやすい行政手続き情報の拡充と、行政手続きのオンライン申請サービスの開始を目指す。
防災については、これまでヤフー・LINEどちらも注力してきた。平時から災害時、復旧・復興まで、ユーザー一人ひとりに最適な情報を発信する。平時にはハザードマップなど、生活エリアの危険度チェックを提供し可視化を行う。災害警戒時には、避難のタイミングなど身を守る情報をリアルタイムに発信する。
将来的には、安全な避難のためのナビゲーションも行う。災害発生時には、大雨は地震など、どのような行動をとるべきか、ユーザーが今いる場所に合わせた情報を発信する。救助要請が必要な場合にも、位置情報の利用によって要請が行えるようにする。復旧復興時には、必要な手続きや、支援のマッチングの最適化を目指す。ユーザーのニーズが刻一刻と変化する災害時にも、必要な情報を提供できる存在になっていく。
ヘルスケアでは、遠隔医療をもっと便利で身近なサービスにする。病院に行きたいが忙しくて行けない、といった課題にも答える。その一環として「LINEドクター」で、予約・診療などをスマホ一つで実現できるようにする。また、オンライン服薬指導や薬の配送なども行えるようにする。21年度中にオンライン服薬指導を開始、オンライン診療「LINEドクター」国内ナンバーワンの提供数を目指していく。
全サービスにAIを実装 5年間で5000億円を投じ5000人増員へ
ここまで触れた集中領域のサービスを成功させるキーワードはAIだ。全てのサービスにAIを実装し、新たな価値の創造を推進する。5年間で5000億円を投資、5000人を増員する。
また、LINEは台湾、タイ、インドネシアなどで強いシェアを誇っている。海外での成功事例を国内にも取り入れていく。
サービス利用を通じて生まれたデータの活用は、安全安心が大前提だ。わかりやすい説明、国内法に基づく運用、有識者による助言評価を受け続けること、プライバシー・セキュリティファーストの4つに努める。加えて、ユーザーの課題やサービス・機能を広く募る課題解決ボックスを本日より設置した。
日本に住む人々に、最高のユーザー体験を提供し、社会課題を解決していく。また、アジアにも最高のユーザー体験を提供する。日本、そしてアジアから世界をリードするAIテックカンパニーへ、”課題解決国・日本”への転換の起点となるべく挑戦を続けていく。