日本スーパーマーケット協会・岩崎高治会長が語る「解決めざす業界の3つの課題と施策」とは
2023年6月、約14年にわたり日本スーパーマーケット協会(以下、JSA)の会長を務めた川野幸夫氏(ヤオコー会長)が名誉会長に就き、ライフコーポレーション(大阪府:以下、ライフ)社長の岩崎高治氏が新会長に就任した。業界団体の長として、今後どのような舵取りをするのか。岩崎新会長に聞いた。
SMの消費環境は「総じて悪くない」
──JSAの3代目会長に就任された経緯を教えてください
岩崎 JSAはライフ創業者の清水信次が1999年に立ち上げ、2009年から川野前会長が2代目の会長となりました。以来、十数年が経過し、川野前会長から何度かバトンタッチの打診がありましたが、コロナ禍もあり、お引き受けするタイミングを逸していました。コロナ禍が収束に向かい、状況が変化したので、川野前会長には名誉会長の立場から引き続きご指導いただくことを条件に、お引き受けすることになった次第です。
──あらためてJSAの役割とは何でしょうか
岩崎 協会の定款で、次のように定めています。
「本会は、会員企業相互の成長発展を通して、スーパーマーケットの健全な発展およびわが国の食料品流通機構の近代化・合理化を促進し、ライフラインとしての食品の安定供給を図るとともに、より豊かな国民生活の実現に寄与することを目的とする」。
この実現のため、政治、行政などに対し政策を提言するのがJSAの役割です。またSM業界の地位向上をめざし、積極的な情報発信や調査研究活動、そして社会貢献活動にも力を入れます。これらは社会的にも求められている活動だと考えています。
──SM企業を取り巻く環境をどう認識されていますか
岩崎 総じて、悪くないとみています。コロナ禍の1年目は内食需要があり、2、3年目は反動減がありましたが、感染が始まる前の19年度と比較すると、SMのマーケットは5%増ほどに拡大しています。行動制限が解除され、インバウンドが増え、日本人も活発に外出するようになりました。株価も上昇傾向にあり、資産効果もあって高所得者の消費も伸びています。まだ不十分といわれているものの、賃上げも行われました。全体的に消費環境は悪くなく、これがしばらく続くとみています。
──消費動向が悪くないという認識の半面、課題はありますか
岩崎 喫緊の課題となっているのが
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