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第7回

2011年2月2日

東南アジアでのテスコ~海外事業の成功モデルとなった韓国と新しいビジネスモデルを試す中国

矢矧 晴彦

 前回、テスコの東南アジア6カ国での活動を見てみたが、今回はその中でもテスコにとって韓国と中国市場での活動に焦点をあててみたい。

 

韓国

 

 テスコとしての進出は1999年であり、東南アジアでは3番目の進出国である。

 

 現在は売上高£41.6億(2010年2月期、以下注記が無い限り同様)で国際事業の中で最大であり、総店舗数305、従業員22,739人の規模を誇るまで成長した。

 

 韓国の事業は、サムスン・コーポレーションが1997年に出店した3店舗に始まる。同年アジア通貨危機が韓国も襲い、小売事業参入早々にして、サムスン・コーポレーションは提携相手を探すことになった。テスコは東南アジアには1998年にタイと台湾の2カ国に初めて参入しが、韓国では現地資本と提携する形で参入することとし、1999年3月にサムスン・テスコ社が設立された。その後韓国事業は大きく成長し、10年間で売上高が45倍、利益が4,783倍、店舗数が153倍に増加し、韓国での市場シェアでは第2位、テスコの国際事業では第一のビジネスとなった。

 

 テスコのビジネスの中で韓国事業を見る際に、2つのポイントがある。

 

1) 本国とほぼ同様のフルラインの展開を行っている

 

 1999年のテスコ参入当初は、Home plusという大型のハイパーマーケット2店舗のみであった。しかしその後5年間で、複数の店舗業態の展開、インターネット販売や非小売サービス事業への進出、そして会員カードの導入などを行った。具体的には、

 

1999年:サムスン・テスコ設立
Home plus(ハイパーマーケット業態)のみ
2002年:インターネット販売を開始
会員カード(ファミリーカード)を開始
2003年:非小売事業を開始
2004年:小型業態Home plus Expressを出店

 

 と、矢継ぎ早に事業を拡大している。

 

 その結果2010年2月末時点では、

 

・Home plus:114店舗
・Home plus Express:192店舗
・インターネット販売:食品及び非食品を50店舗で展開し、78.5%の人口カバー率。総売上高の1%(約£4,000万)の売上
・非小売サービス事業: 個人ローンや保険、電話などのサービス、19商品を展開

 

 とフルセットの事業展開を行うまでに育っている。

 

 テスコが事業展開している他の国でも、大型から小型まで複数の業態の店舗を展開してはいるが、インターネット販売や非小売事業、会員カードまでのフルライン展開をしている国はまだ少ない。韓国事業は、ある意味「ミニ英国事業」とも言える事例を作ったと言えよう。

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