グローバル先進事例に学ぶ!SAS流通ソリューションによる『AI/アナリティクス経営』の 実現アプローチ

2020/01/24 15:42
ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局

流通業の需要予測や価格最適化などにAI活用進む

SAS Institute Japan株式会社 ソリューション統括本部 製造・コンシューマーインダストリーソリューション統括部 コンシューマーインダストリーソリューショングループ マネージャー 井上 義成 氏

AIに任せるのではなく、AIを上手く活用すること

 SASのAI技術を使ったアナリティクスサービスは、金融業では日本でもメガバンクや保険会社、不正検知や信用調査、医療分野では新薬の開発や診断予測など、公共と製造・エネルギー分野ではスマートシティーや品質最適化などに活用されている。これから紹介する小売分野でも採用する企業が増えており、グローバルで1200社以上が採用している。
 外部の評価機関によるSASアナリティクスに対して、機械学習や予測分析、顧客分析とCRM、企業の分析プラットフォームなどについて、現在のソリューションと将来の展開についていずれも高い評価を得ている。

 流通業は複雑化する消費者への対応や、食品ロスなど社会課題への対応、人手不足とコスト増への対応など、デジタルトランスフォーメーションなど変革を迫られている。その一方で、アマゾンがフロリダのハリケーンの際に水の需要が高まったことでAIが判断して価格を上げたケースや、日本でもイベントのダイナミックプライシングで同等の席のチケットで1万円の価格差が出て批判を浴びる事象も発生した。

 AIの発展段階で過剰な期待をかけたために、既存のビジネスに影響が出るということも認識しておく必要があるだろう。このように感情に左右される場合や、全くの新商品の予測はまだ難しい状況だ。AIに任せるのではなく、うまく活用することで業務の高度化・効率化を実現するアナリティクスの発展形を目指すべきである。

ネスレは需給計画の効率化と精度向上を目指す

 アナリティクスにはデータを可視化することを目的とした分析、次に原因と結果の関係性の分析、そして将来を予測する分析、最後に予測に対して最適解を導き出す「最適化・指示的アナリティクス」がある。この最後の段階を高度化・自動化するのがSASの考えるAIである。
「見える化」から原因分析のための「診断」、その次に「予測」、最後に「自動化による意思決定」という段階的なアプローチが必要になり、そして意思決定の精度向上と他業務への最適化・自動化の水平展開が次のステップとなる。

アナリティクス経営の実現ステップ 段階的アプローチが重要
※講演資料より掲載(クリックで拡大)

 ネスレは2015年からSASソリューションを活用し、まず需要予測をベースにした需給管理のプロセスを構築した。販促計画と連動した需要予測モデルを作るのが大きな目的だ。そして2019年4月にリリースしたが、現在、予測精度の向上に向けた需給管理プロセスの効率化を進めている。

 予測精度を上げるためのプロセスは、2015年の段階では単品ごとの需要予測だけだったが、その場合、同種の自社製品との競合などが精度の悪化をもたらしていた。そこで、カテゴリー別、製品別、パッケージ別、SKU別の高度な予測モデルを構築。さらにそれぞれの階層間での調整を行い予測精度を高めた。また、需給計画担当者による予測の修正実績も考慮した予測を算出することで、作業ボリュームを47%も削減できた。

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