不確実性の高い「ニューノーマル」時代に突入 テクノロジーを駆使したDX推進の好機に

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株式会社 ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局 副部長 デジタルマーケティング戦略室 室長 小平田 康寛

データ活用の重要性がより顕著に

冒頭、主催者のダイヤモンド・リテイルメディアより、今回のカンファレンス「ニューノーマル時代の小売業 パラダイムシフト」の開催趣旨が語られた。

小売業のグローバル市場においては、ここ数年の間に「アマゾン・エフェクト」の影響を受け、米国を中心に多くの小売業が店舗閉鎖に追い込まれている。さらに、追い打ちをかけるように新型コロナウイルスによる影響がかつてない規模とグローバルで小売業界に広がり、米国では、J.クルー、ニーマン・マーカス、J.C.ペニー、ブルックス・ブラザーズなどが経営破綻し、これからも小売業の倒産が続くとみられる。

小売業界では「Withコロナ」、「Afterコロナ」の環境が続く中で業績のレジリエンス(回復力)向上のための取り組みに着手し始めているが、小売業界はこれまでに経験したことのない異次元の競争環境に突入したといえる。

今後、消費者の行動や価値観が大きく変化していく中で生まれる「ニューノーマル」が拡大し、パラダイムシフトが起きる時代変化の中で、小売業はリテールテクノロジーを駆使したDXによる事業変革のスピードをさらに加速させ、新たな成長戦略を描く必要がある。消費者の購買行動の変化を正確に把握したり、データを分析・活用して需要を予測したりすることで、今まさにニューノーマルな消費環境に対応していくことが求められている。

ダイヤモンド・リテイルメディアでは「ニューノーマル」を「Beforeコロナ」(通常時)、「Withコロナ」(緊急対応時)、「Afterコロナ」(未経験の環境)のいずれの状況にも対応が求められる不確実性の高い時代と捉えている(図表参照)。それぞれシナリオを踏まえたビジネスモデルが重要であり、そのためにはテクノロジーを駆使して、データを活用・分析・予測していくことが求められるだろう。

DRMが考えるニューノーマルとは?
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データ活用の重要性については、世界的なIT企業のトップの発言からも明らかである。
今年の5月にマイクロソフトのサティア・ナデラCEOは「2年分のデジタル変革がわずか2カ月で成し遂げられている」と語っている。また、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOは次のように話している。未来を予測する水晶玉は作れないが、Eコマースビジネスならば10年後も消費者は安く、豊富な品揃え、素早い配送といったニーズは非常に安定的で変わらない。これらはデータを駆使すれば、消費者のニーズに対応することは可能であると。そしてアリババ創業者のジャック・マーは「データは現代の石油である」とデータ活用の重要性を端的に表現している。

今回のカンファレンスでは、新型コロナウイルスの影響で予測不能ともいうべき新たな競争環境に突入し、パラダイムシフトが加速する中で小売業に求められる戦略の再構築と成長戦略ビジョン、具体的な取り組みについて、先行する米国小売業界の注目企業の事例や、サプライチェーンの物流改善の取り組みを通してご紹介している。是非とも、貴社のDX推進にお役立ていただきたい。

各プログラムの詳細

下記画像リンクから、各プログラムの詳細をご覧いただけます。

リテールストラテジスト 平山幸江 SAS Institute Japan株式会社 ソリューション統括本部 コンシューマーインダストリーソリューショングループ マネージャー 井上 義成 氏 SAS Institute Japan株式会社 ソリューション統括本部 Advanced Analytics COE グループマネージャー 庄子 楽 氏 株式会社イー・ロジット代表取締役 兼 チーフコンサルタント 角井亮一氏

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