新型コロナウイルスに負けない! 激変する市場に対応する需要計画とは

2020/10/09 12:35

SAS Institute Japan株式会社 ソリューション統括本部 Advanced Analytics COE  グループマネージャー 庄子 楽 氏

混乱期、正常化へ向かう回復期、正常化の3つの時期に分けて分析

 新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に与える影響はリーマンショックを超えると言われる。2020年のGDP成長は全地域、グローバルで大幅に減少しており、翌年の回復も部分的と指摘する意見もある。

 小売業においては売れた商品があった反面、売れなかったものもあった。店舗運営に関しては、とくに緊急事態宣下は臨時休校の影響もあり、パートさんが出勤できず人材不足は深刻だった。物流混乱も大きな問題で、物流に関するコストが跳ね上がったことで減益となる企業も出る事態となった。

 さてこのパートでは、小売業においてもっとも重要となる需要予測について詳しく見てみたい。最初のテーマは「新型コロナウイルスへの対応アプローチ」である。

COVID 19 対応アプローチ
クリックで拡大

 具体的な対応は①混乱期、②正常化へ向かう回復期、③正常化、の3つの時期に分け行う。①は東京であれば緊急事態宣言の発令前から発令中まで、②は緊急事態宣言が解除され客足が戻ってくる状態まで、そして③は以前の状態に近づいた時期を指す。

 まず各時期について、変化のモニタリングを実施する。混乱期は、店舗、商品、客数、客層など日々の変化を把握。回復期は、もとに戻りつつある傾向を検出、そして正常化、つまりニューノーマルの段階では「果して以前と同じ状態に戻るのか」という観点から、ニューノーマルについて理解しながら見ていく。そのうえで需要を管理していく。

 混乱期では、状況が目まぐるしく変化するため短期予測に重点を置き、状況を把握。感染拡大が先行するエリアの状況も見ながら、品薄商品については代替品の探索などを行う。回復期では、応急処置的な状態から予測を正常な状態を視野に戻していく。そして正常化の段階では、以前と何が変わったかを正確に理解し、需要予測へ反映させる、また品揃えを組み替えるなどの対応を行う。

常態化した傾向を以前と比較

 需要予測について、重要なポイントや留意する点などを紹介、さらに深掘りしていきたい。

 第一は、需要予測を実際のビジネスに順応させていくことについて。当社のお客さまの中には、3月、新型コロナウイルスに対応した需要予測し、さらにチューニングを行っている取り組みが見られる。従来型の需要予測でよく使われる時系列予測に加え、機械学習を採用するという施策を進めている。参考にする情報も、POSデータ、在庫データ、プロモーション等のデータに加え、新型コロナウイルスの統計情報、ソーシャルメディア等のデータも取得しながら調整。これらにより深刻な事態を切り抜けているケースもある。

①需要予測を順応させる 機械学習 x 短期予測重視に切替え
クリックで拡大

 次に、新型コロナウイルスの影響が大きかった時期のデータを今後、いかに扱うかという問題にも触れておく。混乱期のデータをそのまま使うことは避け、商品の売上推移で異常値となった個所を検出、調整パターンを用意し予測がうまくいくかを試すという作業が必要になるだろう。

 3番目は、これから起こってくるニューノーマルの傾向をいかに捉えるかという問題。新しく常態化した傾向を以前と比較しながら正しく理解することは重要だ。個々の店舗、商品でどんな変化が生じたのか、また顧客や客足、客層、購買行動がいかに変わったのかを把握、適切に対応できるようにする必要がある。

 4番目は、感染が先行する市場のデータを活用する取り組みについて。感染が先に広がっている国、地域の情報を、遅れて感染が発生する国、地域で活用するというアプローチも見られる。

 より精度の高い需要を予測するにあたり、これらのポイントを意識することは重要である。

各プログラムの詳細

下記画像リンクから、各プログラムの詳細をご覧いただけます。

株式会社 ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局 副部長 デジタルマーケティング戦略室 室長 小平田 康寛 リテールストラテジスト 平山幸江 SAS Institute Japan株式会社 ソリューション統括本部 コンシューマーインダストリーソリューショングループ マネージャー 井上 義成 氏 株式会社イー・ロジット代表取締役 兼 チーフコンサルタント 角井亮一氏

人気記事ランキング

© 2020 by Diamond Retail Media