原宿にオープンから半年 世界唯一のフェンダー旗艦店が果たすスゴイ役割とは

2024/01/30 05:59
堀尾大悟
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「ラボ(研究所)」として常に進化させていく

FENDER CAFE powered by VERVE COFFEE ROASTERS
地下1階 カリフォルニアのコーヒーブランドVERVE COFFEE ROASTERSが監修するフェンダー初のオリジナルコーヒーショップ「FENDER CAFE powered by VERVE COFFEE ROASTERS」

――アパレルショップやカフェも話題となっていますが、これにはどういった意図があるのですか?

コール氏 私の過去の経験からも、これまでにブランドがファッションやライフスタイルの分野に参入した例は数多く見られます。たとえばエルメスは、もともとは乗馬用の鞍(サドル)を作る会社でした。ルイ・ヴィトンも、ヨーロッパから新世界へと船旅で移動する人たちのためのトランクを作る会社でした。ナイキも、ランニングシューズの会社から今日では世界有数のライフスタイル企業に成長しています。これらのブランドが、いまファッションの世界でどれほどの影響力を持っているかは説明の必要がないでしょう。

世界でナンバーワンのギター/ベースとアンプのブランドであるフェンダーが、80年近い歴史の中で、これまで現代音楽に与えてきた影響は計り知れません。そのことをふまえ、ぜひフェンダーとしても大胆に別の分野に参入してみてもいいのではないかと考え、ファッションやライフスタイル、そして飲食事業へ足を踏み出しました。

フェンダーアパレル
1階奥のアパレル売場

――今後はアパレルだけのショップ展開などもありえる?

コール氏 可能性としてはあると思います。そもそも、アパレルは急に思いついたわけではなく、実は77年のブランドの歴史と同じくらい、販売を続けてきています。

日本では、数年前にユニクロの協力のもと、フェンダーのロゴが入ったTシャツを試験的に販売するPoC(概念実証)を行いました。その結果、フェンダーブランドのTシャツを購入した90%が、実際にはギターを弾かない人だったということがわかりました。さらにTシャツを実際に購入した人の60%以上が女性でした。音楽やギターだけではなくて、ブランドとしてもフェンダーを認知している人が大勢いることがわかりました。

つまり、ファッションやライフスタイルは、彼らを私たちのブランドに引き込み、ギターを始めてもらうためにも有効なアプローチだと考えています。

また、当社の調査では、このコロナ禍で、アメリカでは1600万人が初めてギターを手にしたとの結果が出ました。そして、その50%は女性です。

こうした統計を反映して、この旗艦店のスタッフも半分以上は女性です。これも通常の楽器店にはない特徴です。

――東京での店舗を皮切りに、日本、もしくは世界各国に直営店を展開していく予定は?

日本法人「フェンダーミュージック」の代表取締役
日本法人「フェンダーミュージック」の代表取締役 エドワード・コール氏

コール氏 どんな店舗でも同じだと思うのですが、店舗というものは運営しながら常に進化させていくものだと考えています。言うなれば、店舗とはラボ(研究所)のようなものです。常に変化、発展していきながら、お客さまにベストな体験を提供できるようにしていきたいと思っています。

したがって、当面の優先事項としては、原宿・表参道というすばらしい通りにオープンした、この旗艦店のさらなる発展です。そして、これからさまざまに活用しうるモデルとなるよう、ベストな形を追求してきたいと思っています。

日本という国は、小売業に関しては世界で最も厳しい国です。日本人のお客さまはブランドへの知識が深く、品質やカスタマーサービスに対しても厳しい目をお持ちです。そのような場所で旗艦店を運営し、知見や教訓を蓄積した先に、他のアジア太平洋地域への拡大も考えられると思います。

 

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