リアル店のアプリに「お気に入り」機能を付けるべき、3つの理由

宮川耕平(日本食糧新聞社)
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ネット通販ではあたりまえでもリアル店舗にはなかなかない、とりわけ食品スーパーでは皆無といってもいい機能の1つが、気になる商品を「お気に入り」に登録するツールです。アプリなどに実装すれば、顧客の利便性が上がるだけでなく店のマーケティングにも役立つはずなのに・・・。というお話です。

リアル店舗のスマホアプリで「欲しいものリスト」機能を導入することにより、3つのメリットを得ることができる
リアル店舗のスマホアプリで「欲しいものリスト」機能を導入することにより、3つのメリットを得ることができる

スーパーが「お気に入り」機能を導入する3つのメリット

 ここでいう「お気に入り」とは何か、さらに詰めておく方がいいかもしれません。アマゾンでいう「欲しい物リスト」のことであり、「カート」ではありません。カートの商品が購入手続きに進む前の「買物リスト」だとすれば、「欲しい物リスト」は、買うかどうか考え中の「検討リスト」というべきものです。

 アマゾンの場合、この「欲しい物リスト」内の商品は、登録時点より価格が下がった場合、「価格が◯%下がりました」と表示されます。すると購買意欲は刺激されますし、価格はわりと変動するので、頻繁にチェックしたくなります。利用者は、価格を観察しながら購入を検討することができます。本当に欲しいのか、必要なのか、時間をかけて吟味するのです。

 ユーザーにはそのような意味を持つ「お気に入り」機能が、店にとっては何の役に立つのでしょうか。3つ挙げたいと思います。

①購入以前の関心を「見える化」する
②可視化された関心に販促のアプローチをかけられる
③来店しない時でも、顧客とつながる

 以下でもう少し検討します。

次のページは
「購入前の関心がわかる」という価値

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