特殊卵市場、栄養面やSDGsの観点でも注目度大、メニュー提案でトライアルを促す

文:石山 真紀(フリーライター・売場研究家)
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特殊卵の金額PIおよび金額PI対前年推移

環境配慮の観点から平飼い卵が徐々に浸透

 特殊卵はビタミンEやヨウ素などの栄養素を含む機能性に特化したもの、平飼いをはじめとした飼育環境に配慮したもの、味や色つやにこだわったものなどがあり、近年はサステナブルの観点から平飼い訴求の卵が伸長傾向にある。

 JA全農たまごではα-リノレン酸や葉酸、ビタミンEを豊富に含んだ「しんたまご」をはじめ、鶏たちが自由に動き回れる環境で飼育した「平飼いたまご」や持続可能性に配慮した鶏卵・鶏肉JASを日本で初めて取得した「サステナブルエッグ」など特殊卵の開発に力を入れている。

 なかでも「とくたま」はコクのある黄身のおいしさと色にこだわった卵かけご飯に最適なたまごで、消費者や流通バイヤーからも高い評価を得ている。

 栄養豊富な卵は食品スーパーにとってなくてはならないカテゴリーだが、日常使いの商品ということもあり、店頭では安易な価格訴求に陥りやすい。

 しかし付加価値型商品である特殊卵は、豊富な栄養価や飼育環境へのこだわり、味わいの違いを伝えることで、カテゴリーの単価アップも期待できるだろう。

 卵は目玉焼きやオムレツ、ゆで卵といった朝食メニューの定番だけでなく、和食・洋食・中華など、どんな料理にも使える万能素材でもある。特殊卵そのものが持つ魅力に加え、消費者が興味を持つメニュー提案で気付きを与え、トライアルの獲得やカテゴリーの活性化につなげていきたいところだ。

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