ロカボ・糖質オフ商品の購入者像を徹底分析!市場拡大のポイントとは?

児玉 一穂(日本食研ホールディングス株式会社 食未来研究室室長)
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生活者の健康意識の高まりやコロナ太りの解消といった需要増から、年々売上が伸び続けていたロカボ・糖質オフ商品だが、今年は少し踊り場を迎えている。食品スーパーのPOSデータやレシートデータから同商品の購入者像を分析することで、新たな販促ポイント、商品開発のヒントを探ってみた。

ロカボ・糖質オフ商品のカテゴリー別の動向について

 今回ロカボ・糖質オフ商品を分析するにあたっては、商品名に「糖質」「ロカボ」を含むものに加えて、パッケージなどでこれらを謳っているもののうち、とくに売上の大きいものを抽出した。「KSP-POS」(食品スーパー)によると、同商品の売上は2021年までは順調に増加を続けていたが、22年に入り踊り場を迎えている。同商品の中では、どのカテゴリーが減少し、どのカテゴリーが伸びているのだろうか。

ロカボ 食事 イメージ
売上は2021年までは順調に増加を続けていたが、22年に入り踊り場を迎えている。(i-stock/kazoka30)

 【図1】は「KSP-POS」で主なカテゴリーの千人当たりの購入金額と前年比をみたものである。酒類が最も売上が大きく、次いで菓子類、調味料となっている。酒類が前年を割ってしまっていることが、同商品全体の売上に大きく影響している。最も伸びが大きいのは即席麺カテゴリーで、これは21年4月に発売された日清食品の「カップヌードルPRO」の影響が大きい。ほかには、シリアル、ヨーグルト、パンといった朝食によく食べられる商品群も大きく伸びている。では、これらそれぞれのカテゴリーの購入者の性質に、違いはあるのだろうか。

【図1】ロカボ・糖質オフ商品の2022年千人当たりの購入金額と前年比
出所: ㈱KSP-SP「KSP-POS」より食未来研究室作成
ロカボ・糖質オフ商品は全カテゴリーより商品名に「糖質」「ロカボ」を含む商品群と低糖質を謳った売上の大きい商品を抽出

ロカボ意識ライトユーザー、
ヘビーユーザーそれぞれの求めているコト

 ロカボに対する意識が最も高いのは、どのカテゴリーのロカボ・糖質オフ商品を購入している人なのだろうか。逆に、ロカボに対する意識がそれほど高くはないのはどの購入者なのだろうか。それを調べるために、ふだんの買物の中での同商品の千人当たりの購入点数をカテゴリー別にみたところ、ロカボのお酒の購入者のみ、お酒以外のカテゴリーの同商品の購入点数が極端に低かった。このことから、ロカボのお酒の購入者は他のカテゴリーの同商品購入者とは大きく性質が違うと考えられるので、分けてみる必要がありそうだ。

 そこで、自カテゴリーとお酒を除いたロカボ・糖質オフ商品の千人当たりの購入点数をみたものが【図2】である。即席食品購入者は他のカテゴリーのロカボ・糖質オフ商品を最も多く買っており、ロカボ意識が高いと言える。また、前年比で伸びていた即席麺やパン、シリアル、ヨーグルト、サラダチキン購入者のロカボ意識は中程度であった。

【図2】年間の買物でのロカボ・糖質オフ商品の千人当たりの購入点数
出所:マギー㈱ icodeMSデータより食未来研究室作成
期間:2022年7月~2023年6月
ロカボ・糖質オフ商品は全カテゴリーより商品名に「糖質」「ロカボ」を含む商品群と低糖質を謳った売上の大きい商品を抽出

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