生鮮フルライン型を投入するダイレックス、上尾今泉店分析でわかる確かな実力とは
ダイレックス(佐賀県/多田高志社長)は地盤とする九州をはじめ、西日本と関東甲信越エリアを中心に364店舗(2023年3月期末)を展開するディスカウントストア(DS)チェーンだ。09年にドラッグストア(DgS)のサンドラッグ(東京都/貞方宏司社長)の完全子会社となってからは医薬品や日用品の品揃えを拡大、さらに一部店舗で生鮮食品をフルラインで扱うなど、フード&ドラッグ色の強い店づくりも進めている。本稿ではそんな生鮮フルライン型店舗の1つである「ダイレックス上尾今泉店」(以下、上尾今泉店)について、食品売場を中心に調査した。(調査日:2023年5月5日、16日) ※文中の価格は本体価格
激戦地で集客図る500坪の生鮮強化モデル
今回調査した上尾今泉店は、JR高崎線「上尾」駅から南西へ約1.6km離れた場所に位置する。すぐ近くには大規模団地「西上尾第一団地」があるほか、戸建て中心の住宅地も広がっており人口密度は高い。
それゆえに食品スーパー(SM)やDgS間の競争も激しく、上尾今泉店からおよそ500m圏内だけで見ても、総合スーパー(GMS)およびSMでは、ショッピングセンター「アリオ上尾」の核店舗である「イトーヨーカドーアリオ上尾店」「コープみらい今泉店」「生鮮市場TOP小敷谷店」「TAIRAYA上尾店」「ヤオヒロ小泉店」「スーパーバリュ上尾小泉店」、DgSでは「ドラッグストアセキ」「マツモトキヨシ」「スギドラッグ」などがある。
上尾今泉店の売場面積は約532坪で、このうち食品売場は約260坪(歩測)とほぼ半分を占める。ダイレックスは1500店舗の出店を目標に、300~500坪を標準サイズとした「ディスカウント・ドラッグ・生鮮の融合店舗」を全国に展開している。上尾今泉店はまさにその条件に合致したロールモデル的店舗といえるだろう。
詳しくは後述するが、上尾今泉店の生鮮・総菜売場はすべてコンセッショナリー(コンセ)による運営となっており、それぞれが専門性の高い売場を展開している。調査した5月5日(こどもの日)は、とくに午後からはお客が途切れることなく駐車場も常時ほぼ満車の状態。先述したように近隣に団地があるが、より広域からのクルマでの来店も多いようだ。
量感&質の高さが光る青果と鮮魚
それでは食品を中心に売場を詳しく見てい