ミツカン、”究極”をめざした納豆がヒットした必然と今後の納豆販売戦略とは

植芝 千景 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集者)
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Mizkan (愛知県/吉永智征社長:以下、ミツカン)は2022年9月に、納豆の人気ブランド「金のつぶ」シリーズから「金のつぶ 国産小粒納豆3P」を発売した。納豆は、各スーパーマーケット(SM)で価格訴求品として扱われることが多いが、同商品の参考小売価格は218円(税抜)とやや高めの価格設定となっている。ミツカンは「『金のつぶ 国産小粒納豆3P』は23年度に10億円の売上をめざせる」と話す。ミツカンの納豆戦略について、担当者に話を聞いた。

ミツカン「金のつぶ 国産小粒納豆3P」
ミツカン「金のつぶ 国産小粒納豆3P」

“究極”をめざした納豆を開発した理由とは

 ミツカンが22年9月に発売を開始した「金のつぶ 国産小粒納豆3P」について、同商品のマーケティングを担当する加納慎太郎氏は「ミツカンの持てる技術を結集したという意味で“究極”をめざした納豆だ」と話す。

 「金のつぶ 国産小粒納豆3P」では“究極”をめざすために、3つのこだわりが込められている。1つ目が原材料に小粒大豆の「国産ユキシズカ」を使用した点。2つ目がミツカンが培ってきたノウハウでユキシズカを炊き上げることで、ふっくらとした食感に仕上げている点。3つ目が、タレにもこだわり、宗田がつおと昆布のだしを凝縮し、旨味とコクを実現した点だ。 

商品開発にあたって「調査会社と共同で、納豆を購入している消費者の動向を調査したところ「納豆市場金額の2割程度が、国産大豆を使っていることが納豆購入の決め手となっていることがわかった」(加納氏)ことが、国産大豆使用の決め手となったという。

 さらに、以下のような事実も判明した。国内で流通している納豆は、小粒以下の納豆が約75%、中粒以上とその他(ひきわりなど)納豆が約25%と、小粒以下の納豆が圧倒的な金額シェアを占める。一方で、国産大豆を使った納豆に対象を絞った場合、中粒以上の納豆と小粒以下の納豆がほぼ等しい金額シェアとなる。「75%:25%」の構成比が国産納豆のカテゴリーにも当てはまるとすれば、国産大豆の小粒納豆の市場には参入の余地が残されていることになるからだ。

 この2つの調査結果から「市場の2割が国産大豆を支持しているなかで、国産小粒納豆の開発にチャンスがあるのではないかと考えた」(加納氏)という。

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記事執筆者

植芝 千景 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集者

同志社大学大学院文学研究科(国文学専攻)修了。関西のグルメ雑誌の編集部に所属後、ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。日本酒、特に関西の地酒好き。趣味は、未知のものを食べること。「口に入れてから考える」ことをモットーに、日々さまざまな食べものを味わっている。

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