ホームセンター・バイヤーが選ぶ年間ヒット商品2021 薬剤部門第1位は?

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すぐれた効果を発揮する食品原料由来の殺虫殺菌剤 食品原料99・9%で新規ユーザーにも好評

 アース製薬の家庭園芸用品「アースガーデン」シリーズから2020年1月20日に発売された「ロハピ」は、食品原料99・9%でつくられた殺虫殺菌剤。有効成分のカプリン酸グリセリルはココナッツオイルなどから精製される成分で、総菜やパン、ケーキなどの日持ち向上剤として使用されている。従来品の食品原料由来の殺虫殺菌剤では効かなかった体の大きな虫や、バラの重要病害虫であるチュウレンジハバチや黒星病に対しても高い効果を発揮。食品由来であることから野菜、花、果樹に収穫前日まで使用でき、虫やカビ由来の病気をしっかり退治する。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、家庭用園芸用品はいずれのカテゴリーも前年超えの見込みだが、中でも不快害虫対策や除草剤、肥料は前年比2ケタ増で大幅伸長しているという。園芸の主要年代層は60代以上のシニア層だが、コロナ禍の状況で約250万人が新たに園芸を開始したと予測され、その内の約8割が20〜40代となっている。

 アース製薬ではこの状況について、若い世代はこれまで園芸をやりたくても時間がなくできなかったが、外出の自粛やテレワークの推進などにより、家にいる時間が増えたことでインテリアの1つとして緑を取り入れたり園芸を楽しむ人が増えたと分析している。

 「ロハピ」は食物由来成分や優れた効果に加え、親しみやすいネーミングやパッケージが新規ユーザーに刺さって好調に推移。プロモーションでも若年層を意識し、SNSやWEBの記事広告を主体としたことで、食品系殺虫殺菌剤の市場規模拡大に大きく貢献した。

 店頭販促では動画説明用のモニター画面を1000台導入。あるホームセンターでは、導入することで売上指数が5倍となったことから今期はモニター画面を1500台まで増設。悩み解決型のSNSの活用も引き続き注力し、初心者の園芸離脱防止につなげていく方針だ。

メーカー( 担当者) のコメント

今期注目カテゴリーはムカデ対策 LINEなどSNS活用も重視

畑や果樹、庭木周りでも使える農耕地用の「アース草消滅」シリーズ

 「ロハピ」が、多くのご担当者様から評価を頂いたことをうれしく思います。コロナ禍により市場が拡大している園芸用品ですが、中でも、「ロハピ」は若い世代の新規ユーザーを取り込むことに成功し、市場の拡大に貢献しました。

 今期の注目新製品は「ムカデ撃滅」シリーズです。ムカデ対策用品は、市場は小さいものの急成長しているカテゴリーです。また、天然成分の殺虫剤は一時期縮小傾向にありましたが、当社の「アリ撃滅」を中心とした「撃滅」シリーズの投入により市場は再活性化されています。

 コロナ禍で換気の頻度が上がりムカデが家の中へ入ってくる機会も増えました。「ムカデ撃滅」シリーズはスプレーと室内でも使いやすい殺虫成分不使用の置き型・捕獲器の3種類を展開しています。とくに捕獲器タイプは日本唯一のムカデ専用捕獲器なので、多くの方々から注目されています。

 また、「アース草消滅」(2ℓ、4・5ℓ)は畑や果樹、庭木周りでも使える除草剤です。緑地管理用の「アースカマイラズ草消滅」、農耕地用の「アース草消滅」とラインアップを充実させることで、シーンによる使い分けを訴求していきます。

 キャラクターのまもるくんがガーデニングに関するアドバイスを行うLINE「ガーデニングのお悩み解決 ホットライン」は、友だち登録が17万4000人(2021年1月時点)となりました。また昨年からTwitterも開設し、こちらもフォロワー数は約8カ月で1万3000人と着実にファンを増やしつつあります。コロナ禍ではLINEへの相談数も増えていることから、今後も農薬の安全性や正しい使用方法など啓もう活動に注力し、新規ユーザーの定着とガーデニング市場の活性化に努めてまいります。

(マーケティング総合企画本部ブランドマーケティング部 ブランドマネージャー 佐藤淳氏)

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