イオンマーケット、品質や提案にこだわった商品展開で“ピーコックらしさ”を追求
「ピーコックストア」を運営するイオンマーケットでは、精肉部門の輸入豚肉としてカナダ産三元豚ブランド「HyLife Pork(ハイライフポーク)」を主力としている。そのため今期の新型コロナウイルスの影響による需要増、調達難の状況下においても「ハイライフポーク」と多様な国産豚の品揃えによって、安定的で独自性の高い品揃えを実現した。
豚肉市場が成長するなかで厚切りステーキや付加価値商品を提案
![イオンマーケット商品本部畜産商品部長竹本 仁氏](https://diamond-rm.net/wp-content/uploads/2020/11/dcs201115_MD_Pork_AEON-Market_00.jpg)
畜産商品部長 竹本 仁 氏
イオンマーケットの豚肉の品揃えは、2008年から導入した国産の「やまと豚」とそのほかの国産豚が中心。これに輸入豚肉として、4年ほど前に導入を始めた「ハイライフポーク」ブランドが20%弱、東京Xやアグー豚など、そのほかの国産銘柄豚が数%という構成となっている。
イオンマーケット商品本部 畜産商品部長の竹本仁氏は「品質にこだわった商品を、価値にあった価格で提供するという“ピーコックらしさ”を常に意識して、品揃えを調整しています。『ハイライフポーク』については、それまで仕入れていた輸入豚と比較して、肉質や味が国産に近く、品質がしっかりしていることと、一貫生産体制をとっているため供給が安定していること、扱いやすい原料規格など、優れた点が多かったため導入を決めました。価格が安くても“安かろう、悪かろう”という商品は、ピーコックで扱うわけにはいかないと考えています」という。
豚肉がこの数年伸びる傾向にあるなかで、同社では厚切りポークステーキや、抗生物質・合成抗菌剤、遺伝子組替飼料不使用の『ナチュラルポーク』を一部店舗で展開するなど、さまざまな仕掛けを行うことで実績を伸ばしてきた。
しかし今期は新型コロナウイルスの影響で購買動向が変化し、さまざまな対応を迫られることになった。
料理機会の増加というチャンスにきめ細かな提案で対応
「4月頃以降、今まで外食されていたお客さまが家庭で自炊されるケースが増え、生鮮全般が伸びています。なかでも畜産は好調で、豚肉の4月・5月は2割以上伸びました。客数は買物頻度を減らしているせいかダウントレンドですが、買上点数は伸び、ベーシックな商品のまとめ買いが目立ちました。その分、ビジネスパーソンなどが減ったため、都市型店舗ではデリカ部門が苦戦しました。その後、事態が落ち着いてくるにつれ、コロナに関する報道や、気候の変化に合わせて細かい調整が必要でした」(竹本氏)。
![イオンマーケットではしゃぶしゃぶとは異なる厚さのスライスで、鍋用とは別に「豚すき」を提案するコーナーを展開](https://diamond-rm.net/wp-content/uploads/2020/11/dcs201115_MD_Pork_AEON-Market_01.jpg)
商品の調達については、大きな問題は生じなかったが、一時的に売上が急増した時期には、アイテムを絞って加工の効率化を図り、売場の棚が空かないような調整も行ったという。
また、コロナをきっかけに内食が増えたことが、料理の機会増加に着実につながってきていると竹本氏は見ている。夏場はかたまり肉の動きがよかったほか、最近になっても鍋スープの売上が伸びているという。
![イオンマーケットの「やまと豚」](https://diamond-rm.net/wp-content/uploads/2020/11/dcs201115_MD_Pork_AEON-Market_02.jpg)
竹本氏は、「社会の動きが通常に戻ることで、以前と同様、簡便、時短ニーズへの回帰が見られますが、同時にカットのサイズで工夫したり、調味料とのコラボ企画を展開するなど多様なお客さまのニーズに対応していきたい。いずれにしても豚肉は畜産の中でも売上、利益のメーンとなる商品なので、ベーシックな品揃えの充実を図る一方、常にプラスαで何か違う提案を考え、仕掛けていく必要があると考えています」と意気込みを語る。
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