植物性ミルク市場、物価上昇の影響を受け停滞気味、レシピ提案など飲用機会の創出がカギに

文:石山 真紀(フリーライター・売場研究家)
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豆乳とアーモンドミルクカテゴリーの市場規模推移および対前年比

栄養面の魅力を紹介し、トライアルを促進

 健康志向に加えヴィーガンの増加やSDGsの観点から、大豆やアーモンド、オーツ麦といった植物由来による食品への関心は年々高まっている。

 ポッカサッポロフード&ビバレッジでは好調の「アーモンド・ブリーズ」から、1本で2種類の植物性素材が味わえる「アーモンド・ブリーズアーモンドミルク&オーツミルク無糖」と「同アーモンドミルク&ココナッツミルク無糖」を発売。江崎グリコは7月22日のナッツの日に合わせ、熱中症対策として「アーモンド効果」を訴求している。

 数ある植物性ミルクのなかでも豆乳は歴史も長く、フレーバー付きの飲みきりタイプから無調整のしっかりした味わいのもの、ファミリーユースの大容量品まで商品のバリエーションが多い点も魅力となっている。

 キッコーマンソイフーズは新商品として「アフォガート」味や「まろやか青汁」味を展開。マルサンアイは厳選した原材料のみを使用した「ひとつ上の豆乳」シリーズから和栗フレーバーを発売した。

 植物性ミルクの最大の課題は、知っているけれど飲んだことはない「認知未購入者」へのトライアル訴求だ。現状、植物性ミルクは牛乳同様、そのまま飲むことがメーンとなっているが、コーヒーや紅茶に入れたり、シリアルにかけたり、料理に使ったりなど、使い方を広げることで使用頻度も向上する。売場でも栄養面での魅力をPOPやボードで紹介するほか、フレーバー付きの飲みきりサイズ訴求や、レシピと絡めて提案することでハードルを下げ、購買に結び付けていきたいところだ。

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