2021年秋・冬 新商品ヒットランキング、ニーズに沿った価値提案で新たな需要を取り込む
コロナ禍の外出自粛や在宅勤務の浸透で、依然、家庭で過ごす時間は長くなっており、2021年秋・冬の新商品についても生活者の巣ごもり需要に対応した商品が多くみられた。また、既存商品の新しい価値を提案することでさらに需要を伸ばした商品も少なくない。主要カテゴリーごとの1位を抽出して、ヒットの要因を探った。
巣ごもり需要に対応した新商品が続々
2021年7月~12月に新商品・リニューアル商品として発売された商品を期間金額PIでランキング化したところ(販売店率20%以上の商品が対象)、主要カテゴリーのランキング1位商品は図表のようになった。
新型コロナウイルス感染拡大から2年以上が経過し、徐々に日常生活を取り戻しつつあるとはいえ、家庭で過ごす時間は依然、コロナ禍前と比較して長くなっている。サントリー食品インターナショナルでは、家庭で手軽にカフェスタイルが楽しめる「ボス カフェベース」を展開。割るだけでカフェのような本格的なコーヒーのおいしさが楽しめることを提案した商品で、季節に合わせた限定フレーバーも展開している。
味の素AGFの「ブレンディ®スティック」シリーズも巣ごもり需要を受けて好調で、定番のカフェオレだけでなく、抹茶オレやココア・オレといった甘みのあるフレーバーまで支持されている。なかでもカフェなどで定着しつつある人気メニューの「チャイティーオレ」は、既存ユーザーの複数品種の購買につながっている。
また、外食品質の味を自宅でも楽しみたいというニーズは引き続き高いことから、キッコーマン食品では、すき焼専門店の味を参考にした「わが家はすき焼屋さん 熟成仕込割下」を発売した。同社独自の「熟成仕込製法」と、厳選した原料をバランスよく配合することで、すき焼専門店のまろやかで深いコクのある濃厚な味を再現した。
バカルディ ジャパンでは、華やかな香りとダブルエイジ製法によるなめらかな味わいを持つスコッチウイスキー「デュワーズ」の定番「ホワイト・ラベル」ユーザーに向け「デュワーズ12年」のミニボトル付の企画品を発売。ミニボトルを通じて、味わいや香りの異なる他シリーズを手に取るきっかけづくりへとつながっている。