新進気鋭のコンサルがカスミ「ブランデ」を徹底分析して驚いたこととは!
カスミ(茨城県/山本慎一郎社長)が食品スーパー(SM)の新たな価値の追求をめざし開発した新業態「BLANDE(ブランデ)」。すでに茨城県つくば市に2店舗をオープンし、既存フォーマットとは大きく異なる売場づくりや品揃え、オペレーションに挑戦している。本稿では、2号店の「研究学園店」を軸に売場づくりや販促のポイントを分析する。調査日:2022年4月6日(個別の商品写真は調査日に購入したものを撮影、売場写真はオープン取材時のものを使用)
食に特化した研究学園店
カスミがブランデ1号店「つくば並木店」をオープンしたのは2022年1月28日。そこから1カ月も経たない2月17日に2号店の研究学園店を開業している。両店のコンセプトはそれぞれ異なっており、つくば並木店では、「食と健康美」をテーマに、カスミと同じくイオン(千葉県/吉田昭夫社長)グループのドラッグストア(DgS)であるウエルシア薬局(東京都/松本忠久社長)を店内に併設するという新たな試みにチャレンジしている。

●オープン日: 2022年2月17日
●所在地: 茨城県つくば市研究学園3-23-3
●営業時間: 10:00~21:00
●売場面積: 1997㎡
●駐車台数: 125台
●年商目標: 20億円
その一方、本稿でメーンに解説する研究学園店は「フードスペシャリティストア」をテーマに掲げ、食品に特化した店舗づくりをしているのが特徴だ。1号店にあったDgSがないどころか、生活雑貨や日用品などの非食品は茨城県笠間市の伝統工芸品「笠間焼」など一部を除き取り扱っていない。
ここからは部門別に、研究学園店の商品政策(MD)を解説していく。研究学園店の売場構成は、青果・鮮魚・精肉の生鮮ゾーン、総菜・ベーカリーを中心とする即食ゾーン、加工食品や飲料、酒類などのグロサリーゾーンの3つのエリアに分かれる。売場面積ベースでは生鮮ゾーンが占める割合は全体の3分の1程度で構成比が低く、品揃えも絞り込んでいる。その一方、総菜やグロサリーでは品揃えの豊富さを訴求。多くのSMでは、主導線以外の中央部分の棚には菓子や調味料、レトルト食品などの加工食品を配置していることがほとんどだが、研究学園店では総菜をはじめとする即食ゾーンが店舗の中央に配置されており、その後に専門性を追求したグロサリー売場につながっているのも特徴的だ(レイアウト図参照)。
●青果
旬は追わず地元商品に注力
駐車場側の入口から店内に入ると、
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