再び拡大に転じたコンビニ市場 3 強のシェア9 割のなか、成長戦略には違いが

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア)
Pocket

sample

コンビニエンスストア(CVS)市場はセブン-イレブン・ジャパン(東京都:以下、セブン-イレブン)、ファミリーマート(東京都)、ローソン(東京都)の大手3社のシェアが90%を超える寡占市場だ。コロナ禍で前年度は市場が縮小したCVS市場だが21年度は一転し、拡大した。

ファミマの稼ぐ力アップ

 日本フランチャイズチェーン協会(東京都)によると、2021年度(21年1月~12月)の市場規模は10兆7816億円で、対前年度比で1.1%増加した。20年度は同協会がデータを公開した05年以降はじめて前年実績を割ったが、21年度は増加に転じた。背景には、各社がコロナ禍での消費行動の変化に応えた品揃えを強化したことが挙げられる。とくに、生鮮食品やデザート、冷凍食品、酒類などが好調に推移した。

 大手3社の全店売上高を見ると、最大シェアを誇るセブン-イレブンは4兆9527億円(同1.7%増)、ファミリーマートは2兆8419億円(同2.8%増)、ローソンは2兆2119億円(同2.1%増)と各社とも増収を記録した。3社の寡占率は前年度より0.9ポイント増加し、92.8%となった。

ファミリーマートの外観
ファミリーマートは看板商品づくりやターゲットをしぼったマーケティング政策に取り組み、1店当たりの“稼ぐ力”とされる平均日配が、前年から大幅にアップしている。

 1店当たりの“稼ぐ力”とされる平均日配も前年より増加した。セブン-イレブンは64万600円(同4000円増)、ファミリーマートは51万1000円(同1万8000円増)、ローソンは49万8千円(同2000円増)だった。ファミリーマートは看板商品づくりやターゲットをしぼったマーケティング政策に取り組み、前年から大幅にアップしている。

新規出店が停滞、三社三様の成長戦略

 これまで大手3 社は、

続きを読むには…

この記事はDCSオンライン+会員限定です。
会員登録後、DCSオンライン+を契約いただくと読むことができます。

DCSオンライン+会員の方はログインしてから閲覧ください。

記事執筆者

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

ダイヤモンド・チェーンストア編集部は、業界をリードする提案型編集方針を掲げ、小売業の未来を読者と共に創造します。私たちは単なるニュース伝達に留まらず、革新的なビジネスモデルやトレンドを積極的に取り上げ、業界全体に先駆けて解説することを使命としています。毎号、経営のトップランナーへの深掘りインタビューを通じて、その思考や戦略を読者に紹介します。新しくオープンする店舗やリニューアルされた店舗の最新情報を、速報性と詳細な分析で提供し、読者が他では得られない洞察を手に入れられるよう努めています。私たちの鋭い市場分析と、現場の細部にわたる観察を通じて、注目すべき店舗運営の秘訣を明らかにします。

ダイヤモンド・チェーンストア編集部紹介サイトへ