彷徨うコンビニその8 独自路線のポプラが狙うのは
中堅コンビニチェーンが苦境に立たされている中、ポプラ(広島県)は独自の道を模索し始めている。ローソン(東京都)と資本業務提携を結んで以降、ローソンの知名度を活用したダブルネーム店舗「ローソン・ポプラ」を展開すると同時に、病院や官公庁の中などコンビニの隙間市場を深耕しようとしている同社。さらに、フランチャイズ契約の条件を緩和し営業時間の自由度を高めるなど、加盟店オーナーのつなぎ止めにも力を入れる。ただ、ポプラがローソン傘下である以上、自主性を確保できるかどうかはこれらの戦略が奏功し、業績を向上できるかどうかにかかっている。
自主性を維持するには……
ポプラの看板商品といえば、「ポプ弁」だ。店内で炊いたご飯をその場で盛り付ける同商品は、とくに働き盛りの男性客から絶大な支持を集めている。
コンビニの弁当はレンジアップが主流。炊きたてのご飯のおいしさを訴求できるポプ弁は、ポプラにとって強烈な差別化要素となっていた。
こうした独自性の高い商品を武器に独自路線を歩んできたポプラだが、コンビニ大手3チェーンの怒涛の出店攻勢に巻き込まれ、次第に業績が悪化。2014年にはローソンと提携するに至っている。
コンビニはいわゆる“装置産業”であり、成長のためには情報や物流などに投資し続けなければならない。多額の投資を継続していくため、大手チェーンの傘下に入る道を選んだというわけだ。
今やローソンはポプラ株式18.24%を握る大株主となっている。ローソンの傘下に入った以上、企業の独立性を維持するには低迷している業績を早急に回復させることが必須だ。仮に改善の兆しが見えなければ、ローソンとしてはポプラの経営に注文をつけざるを得ない。
彷徨うコンビニ の新着記事
-
2020/04/27
彷徨うコンビニエピローグ アフターコロナの“見えざる敵”とは? -
2020/04/19
彷徨うコンビニその10 コンビニ各社を襲うコロナショック -
2020/04/13
彷徨うコンビニその9 スリーエフが独自性を保つための「最終手段」 -
2020/04/06
彷徨うコンビニその8 独自路線のポプラが狙うのは -
2020/03/30
彷徨うコンビニその7 山崎製パンがデイリーヤマザキを手放せない事情 -
2020/03/16
彷徨うコンビニその5 ミニストップが温める一発逆転の“秘策”
この連載の一覧はこちら [10記事]
ポプラの記事ランキング
- 2021-09-23ポプラ、子会社の大黒屋食品を売却、海鮮珍味・畜産加工品製造
- 2020-04-06彷徨うコンビニその8 独自路線のポプラが狙うのは
- 2024-07-18週刊コンビニエンスストアニュース ローソン、サンリブと「地域共生コンビニ」オープンへ!
- 2019-05-23ローソンがローソン山陰を完全子会社に、ポプラから約35億円で株式30%取得
- 2019-08-27週刊コンビニニュース ローソンが深夜省人化店舗を半年間実験
- 2021-02-10ポプラ、約50人の希望退職実施、北陸・中部からは撤退
- 2021-03-25ローソン、ポプラ店舗の「ローソン・ポプラ」への転換を中国地方でも開始
- 2022-03-04ポプラ、セルフ決済の小型無人店「スマートセルフ」の展開開始
関連記事ランキング
- 2024-07-26セブン-イレブン、宅配ピザに本格参入! 7NOW対応店舗も拡大
- 2024-09-09日本の小売業1000社ランキング2024、総売上高は過去最高の81.9兆円!
- 2024-09-09【特別編集版】総売上2年連続増加!日本の小売業1000社ランキング2024
- 2024-08-12ファミマ、好調リテールメディアのさらなる拡大に向け新サービスを開始!
- 2024-09-09小売業売上トップ10企業の2024年の最新戦略まとめ ドラッグ4社ランクイン!
- 2023-08-02スピードウェイを取り込んだセブン-イレブンは米コンビニ市場の覇権を握ることはできるか?
- 2024-04-16週刊コンビニエンスストアニュース 大手コンビニ3社の決算、売上高・利益ともに大きく伸長
- 2020-03-30彷徨うコンビニその7 山崎製パンがデイリーヤマザキを手放せない事情
- 2024-04-09業態超え大型再編続々の小売業界を読み解く!流通相関図2024!
- 2024-08-28業態別 主要店舗月次実績=2024年7月度