寿司にジャム?!和食を海外に広める上で大切な「独自の食文化を尊重する」ということ

2021/06/03 05:55
千田直哉
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「ブラジルの寿司にはジャムが入っていることもあるんです」とおっしゃっていたのは、国際日本料理協会(IJCA:大阪府)代表の藤口晃一(ふじぐち・あきかず)さんだ。国際日本料理協会の設立は2012年。目的は、「日本料理の文化・伝統を守り、伝える」活動を行うことである。

i-stock/Ryzhkov

地域や時代で移り変わる食文化

 日本料理にとって、国際市場はなかなかの難敵なのだという。

 「たとえば、寿司を日本の形のままで持ち込んでも、海外市場では受け入れてもらえません」。

 鮮度管理設備が整っていない国では衛生上生魚を食べることはできないし、そうした環境であればそもそも生魚を食べること自体が敬遠されている。そこに無理矢理、日本と同じ寿司を押し込んでも浸透していくわけがないからだ。だから、ジャム寿司のようなものも誕生する。

 「ただ、ジャムの寿司を笑う日本だって、実は同じようなことをたくさんしているんですよ」と藤口さん。

 代表的な例は、スパゲッティ・ナポリタンだ。本場イタリア人から見れば、ケチャップで食べるパスタなんて際物以外の何物でもないはずだ。

 日本の国技であるはずの寿司にしても、最近の“進化”ぶりは相当なものだ。ハンバーグや天ぷらをネタに乗せたり、マヨネーズを使ったり、もし江戸時代の職人がタイムスリップしてきたら「てやんでえ、そんなもん食えっか」と怒り出すに違いない。日本国内でも時代とともに変わっていくのだから、国や地域の違いによって食文化が異なるのはどうしようもないことだ。

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