「ZARA」のインディテックス、1000〜1200店舗を閉鎖、ECシフトを強化

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
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「ZARA」のアプリ
アプリの機能強化や店舗のデジタル化などに22年までに27億ユーロを投じる

 ファーストファッションブランドの「ZARA」などを展開するスペインのインディテックスは6月10日、2022年までに1000〜1200店舗を閉鎖する一方、EC(インターネット通販)の売上高を全体の25%以上に高める計画を明らかにした。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的流行)を機に収益力が低下した店舗の閉鎖を加速し、ECへの投資シフトを鮮明にする。

 同社の20年2〜4月期の売上高は、前年同期比44%減の33億ユーロだった。新型コロナの影響で最大88%の店舗を臨時休業したが、EC売上高が50%増加した。4月単月では、EC売り上げは前年同月に比べて95%伸びたという。

 インディテックスでは、22年までに27億ユーロ(約3300億円)の設備投資を行う計画だが、このうち10億ユーロをECの強化に振り向ける。ECの売上構成比は19年に14%だったが、これを25%以上に引き上げる。

 17億ユーロは店舗の近代化やテクノロジー投資などに使う。例えば、スマートフォンアプリやウェブサイトで店舗の在庫を確かめてオンラインで購入し、店舗で受け取れるようにする。店頭在庫をリアルタイムで把握できるように、20年末までに全ブランドの商品にRFID(無線自動認識)タグを全面導入する計画だ。

 また、オンラインで注文した時点で発行されるQRコードを、店舗の専用カウンターで見せるだけで商品を受け取れる仕組みや試着室を予約できる機能なども追加する。アプリを使って店頭商品のバーコードを読み取り、その場で決済できる機能も搭載する。

 インディテックスは現在、世界で約7400店舗を展開しているが、22年には6700〜6900店舗にまで減らす計画だ。450店舗を新設する一方で、小型店など1000〜1200店舗を閉鎖する。店舗数は減少するが、店頭商品をECで購入する利用者が増えることで、既存店売上高は年率4〜6%伸びると見ている。

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