Mirakl(ミラクル)CCOに聞くマーケットプレイスが日本の小売業にもたらす利点とは?

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
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マーケットプレイスの導入による成果について

─日本の小売業は利益率の低さが課題となっています。マーケットプレイスの導入は収益性の改善に寄与するのでしょうか

 近年、日本だけでなく世界全体で小売業の利益率が低下しています。利益率を高めるための強力な手段は、品揃えの一部をマーケットプレイスに持つことです。マーケットプレイスは、値付けや商品画像のアップロード、商品の配送など、多くの業務を販売事業者にアウトソーシングできるため、低コストで運営できます。

品揃えの一部をマーケットプレイスで強化し利益率を向上

 これまで小売企業は自社のオンラインプラットフォームへのトラフィックを獲得するために投資してきました。マーケットプレイスは、追加の固定費を必要とせずに売上を増やすための優れた手段といえます。

─日本では食品のEC化率がまだ低い水準にとどまっています。日本の食品小売企業はマーケットプレイスの導入によってどのようなメリットを得られますか

 欧米でも日本と同様、食品ECの成長率はアパレルや家電などのカテゴリーと比べて低い傾向にありますが、もっと取り込める余地はあると考えています。消費者は利便性を求め、生活必需品をオンラインで購入することもあるでしょう。

 食品スーパーは消費者が生活必需品を購入するために日常的に訪れる場所です。店舗で消費者とリアルな接点を持ち、消費者との信頼関係を構築している点で、アマゾンに対して競争優位性があります。

 食品小売のマーケットプレイスは、オンラインビジネスの成長にきちんとコミットし、関連のあるカテゴリーであれば成り立ちます。「すでにトラフィックがあるプラットフォームで、どうやって消費者に他の商品も買ってもらうか」を考えれば、加工食品や酒類、生活雑貨、調理器具、玩具など、品揃えを広げていくのは極めて当然です。関連のあるカテゴリーまで品揃えを拡張することで、店舗よりも幅広い商品を提供できるようになります。たとえばクローガーは、関連のある非食品カテゴリーの商品をマーケットプレイスで取り扱っています。

消費者の利便性を高め、集客力を強化できるマーケットプレイスは第3の選択肢

─日本の小売企業にとってMiraklの強みは何ですか

 マーケットプレイスの領域のリーダーであり、マーケットプレイスを立ち上げるための最も優れたマーケットプレイステクノロジー、エコシステム、専門性を備えている点です。Miraklは12年にわたる実績を持ち、約400社の顧客を擁しています。これはすなわち、Miraklのテクノロジーが国・地域や事業規模を問わず、あらゆる小売企業で導入できることを意味します。我々はさらなるイノベーションと投資を継続しており、明確なニーズに応える非常に強力なソリューションを構築しています。

 また、これまでの実績から「マーケットプレイスの立ち上げや運営において、顧客をどのようにサポートすればよいのか」の勘所をしっかりと押さえ、成功事例も積極的に共有しています。さらに、マーケットプレイスに適した販売事業者やマーケットプレイスの拡張や機能追加をサポートするパートナーのエコシステムを構築している点も強みです。

─マーケットプレイスの立ち上げにおいてどのような課題がありますか

 マーケットプレイスの立ち上げは、単なるITプロジェクトではなく、事業のトランスフォーメーションです。トランスフォーメーションには経営トップからの支援が不可欠であり、会社の優先事項として位置付けられなければなりません。企業戦略にきちんと組み込まれていなければ、失敗するおそれがあります。

 マーケットプレイスの立ち上げにあたって最初に考えるべきことは「自社の戦略は何か」です。消費者のペインポイント(悩みの種)の解消や顧客体験の改善によって、もっと消費者の役に立つためにはどうするべきかを考える必要があります。小売企業としての自社の提供価値をベースとし、「マーケットプレイスによってどのようにこれを拡張していくか」というアプローチで戦略を練っていくことが重要です。

 

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