上場食品スーパー決算ランキング2024 好決算目立つも格差拡大
食品スーパー(SM)を取り巻く環境は熾烈さを増している。コロナ後のインフレが経営コストを圧迫すると同時に競合との価格競争も激化。さらに、大手企業を中心としたM&A(合併・買収)やグループ内再編による上位寡占化も進んでおり、各社は文字どおり生き残りをかけた戦いを展開している。2023年度の各社決算では、全体的には多くの企業が売上を伸ばし利益面も持ち直した一方、厳しい経営環境下で成長に陰りを見せる企業も見られた。
好決算目立つも成長スピードには「格差」
ここ数年、コロナ特需やその反動減に翻弄されたSM業界。23年5月にコロナが5類感染症へと移行された後、国内の経済活動が正常化に向けて動き出したのも束の間、先行きの見えない国際情勢や、足元ではやや落ち着きを取り戻したものの慢性化するインフレなど、経営環境には不安要素が山積みの状態だ。

ダイヤモンド・チェーンストア誌23年7月1日号「決算2023ランキング」におけるSM業態のランキングを振り返ると、前年度(21年度)と比較可能な22社のうち15社が減益となるなど、利益面で苦戦する企業が散見された。当時から顕在化していたエネルギーや原料価格の高騰を受け、水道光熱費をはじめとする店舗運営のコストが重くのしかかったのに加え、物価高騰下で消費マインドがいっそう冷え込んだ。結果、コスト増を売上でカバーできず低迷した企業が目立った。
23年度の各社業績に目を向けると、28社のうち25社が増収となるなど全体的に好調に推移した。営業利益も上位企業を中心に増益基調に転じ、前年度と比較して大きく改善されている。
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