スポーツの番狂わせと企業の好調要因がどちらも「偶然」ではない理由

千田 直哉 (編集局 局長)
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好調の裏側には、必ず「誰」かの存在がある

 その一方で、強い企業体の条件は、誰がトップにきても組織が支障なく動くことだともされている。企業運営には、あまり属人的な要素はないほうが良いということだろう。

 確かにその通りなのだろう。しかし、私が企業や組織を見る上で重視しているのは、その属人的な部分だ。だから、「誰」が、そのセクションの担当者やトップになったのかは、とても気になる。強いチームには、強い理由があるはずで、リードしているのは「誰」かであるからだ。

  たとえば、先述の市立船橋高校には、カレン・ロバート選手、増嶋竜也選手、佐藤優也選手、鈴木修人選手など数名のJリーガーのタマゴがいた。

 J2所属ながら今年の天皇杯でベスト4に進出しているロアッソ熊本には37歳になった佐藤優也選手が活躍していることも見逃せない。

 “番狂わせ”とみられた試合は、実は“番狂わせ”ではなかったのであり、裏側には、その時は無名だが、相当の力を備えた選手や監督がいたことを時間が証明した。

  好調な企業というのも同じで、「偶然好調」ということはほとんどなく、その裏側には、必ず、「誰」かの存在があるものだ。それが「誰」なのかを明らかにしていくことが、私たちの大事な仕事のひとつであると考えている。

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記事執筆者

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

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