売場、商品、衣食住、DXそして地域共創!平和堂が行う全方位改革の全貌とは

森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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調査結果が映し出す厚い信頼と強い愛着

 「奉仕と創造」の精神が消費者にも伝わっているためか、多くの店がある本拠の滋賀県を中心に、強い支持を獲得する。

 特集にあたり、mitoriz(ミトリズ:東京都/木名瀬博社長)によるインターネットアンケート調査を実施した。京都府、滋賀県在住者に対し「平和堂の購買動向や消費者の特徴、ニーズ」について、競合する小売店を含めて聞いている。

 まず食品の購入先としてメーンで利用しているチェーンをたずねたところ、「平和堂」(アル・プラザ、フレンドマート)が22.1%で最も多く、15.9%のイオン(イオン、マックスバリュ)、「フレスコ」(7.5%)、「西友」(5.8%)といった有力店を抑えた。

 次にメーンで利用するチェーンが競合よりも優れている点を質問した。平和堂は「いつも利用しているから」(54.0%)が最も多く、「なじみがあるから」(38.8%)も4チェーンで最も高かった。コメントには「昔から地域に根付いた親しみのあるスーパーだから安心感がある」という趣旨の意見も目立つ。中には「滋賀県民はとりあえず平和堂なので比較しない」というものもあった。平和堂がいかに地域で親しまれ、圧倒的に支持されているかがわかる。

 それは「HOPカード」の利用動向にも表れている。同カードは中学生以上であればつくることができ、現在の発行枚数は約420万枚。滋賀県に限らず全店ベースでの決済時の提示率は88%という驚異的な高さを誇っている。

 これらのデータ、結果、声からは、消費者による平和堂への厚い信頼、高い愛着度をうかがい知れる。

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記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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