佐藤勝人の「本当に強い店」づくり#3 4パターンのチラシを使い分け集客し、囲い込む方法とは

2021/08/20 05:51
    日本販売促進研究所 商業経営コンサルタント 佐藤勝人
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    ポスティングチラシを活用するコツ

    Person’s hand pulling a pile of junk mail out of a community mailbox

     まずはポスティングチラシについてお話ししましょう。ポスティングの良いところは、配る対象を意図的に選べることです。一軒家が多い地域なのか、マンションなのか、昔ながらの住宅街なのか、新興住宅街なのか…それぞれの地域特性によって、住んでいる人の年代や属性はある程度決まってきます。どういう層に情報を届けたいのか、商品を知ってもらいたいのかによって、配る対象を変えられるのです。

     実際に私が経験した例があります。地方の開業から築35年の老朽化が目立つ食品スーパーで集客は折込チラシ一辺倒、客層の高齢化が深刻になっていた店がありました。昔ながらのお客は通ってくれるのですが、周辺の新興住宅街に新しく住み始めたような人々には見向きもされないわけです。経営者は、その原因を「店や売場が古臭いからだ」「商品がよくないからだ」と考えていましたが、この認識が間違っていたことをポスティングチラシが証明しました。

     ポスティングを地道に続けたところ、それまで毎年10%ずつ減る一方だった客数が、なんと20%も伸びたのです。もちろん、改装や商品のリニューアルは一切していません。店には、それまでは見たこともなかったベビーカーを押した若いお客の姿が見られるようになりました。つまり、この店の商品情報が届いていなかったのです。「ここにこういう商品がある」という情報をポスティングチラシで発信したことで、新規のお客が増えた、というわけです。

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