アパレル不振の根源「作りすぎ」、作らなければ利益激減 この二律背反を解決する方法
「作りすぎ問題」を解決する3つの方法

それでは、この「作りすぎ」の問題に我々はどう向き合えば良いのか
1.放置し自然淘汰に任せる
残念だが、これが最も現実的な解だろう。競争力のないアパレル企業は、いくら商品をつくっても余剰在庫となり現金は枯渇する。やがて、キャッシュフローが回らなくなって破産する。もし、その企業に付加価値があれば、必ず買い手が現れる。現れなければその会社は寿命を迎えたということだ。こうして、「神の見えざる手」によって、需給バランスは保たれる。いわゆる金融主導の業界再編もこれにあたる。新型コロナウイルスは、そのスピードを速めたということかもしれない
2.アパレルビジネスから撤退する、あるいは大きく縮小する
実は、資金力のある大手企業の中には、衣料品比率を下げてプラットフォーマーになる、あるいは、D2Cのような、固定費の軽いスタートアップのインキュベータになるという道を選択しはじめる企業は少なくない。私は、いわゆるGAFAMという最下層の汎用プラットフォームの上に、様々な戦略やデータを活用した、独自性を持つ二階層マルチ・プラットフォームができあがるという考えを持っている。世の中が不況になれば、金転がしと土地転がしが増える。これから、特にファッションビルなどはデベロッパーとなり、カードなどの金融ビジネスに軸足を移すだろう。
河合拓のアパレル改造論2021 の新着記事
-
2022/01/04
Z世代の衝撃#4 Z世代を追えば敗北必至!取るべきトーキョー・ショールーム・シティ戦略とは -
2021/12/28
Z世代の衝撃#3 既存アパレルが古着を売っても失敗する明確な理由とは -
2021/12/22
インフルエンサー・プラットフォーマー「Tokyo girls market」驚異の戦略とは -
2021/12/21
プラットフォーマー起因の歪な過剰生産が生み出す巨大ビジネス、SheinとShoichi -
2021/12/14
Z世代の衝撃#1 ライブコマースで「インフルエンサー・マーケティング」が失敗する衝撃的理由 -
2021/12/07
TOKYO BASEがZ世代から支持される理由と東京がショールーム都市になる衝撃
この連載の一覧はこちら [56記事]
関連記事ランキング
- 2025-11-25ワコールを追い詰めた「三つの革命」
- 2025-12-02HUMAN MADE上場から考えるファッション産業の構造的限界
- 2025-11-27急拡大するリカバリーウエア市場を攻略する
- 2024-09-17ゴールドウイン、脱ザ・ノース・フェイス依存めざす理由と新戦略の評価
- 2025-03-12ユニクロ以外、日本のほとんどのアパレルが儲からなくなった理由_過去反響シリーズ
- 2022-04-22ユナイテッドアローズ重松理名誉会長が語る、創業秘話とビームスを立ち上げた理由とは
- 2021-11-23ついに最終章!ユニクロのプレミアムブランド「+J」とは結局何だったのか?
- 2024-09-03アローズにビームス…セレクトショップの未来とめざすべき新ビジネスとは
- 2025-11-24間違いだらけのアパレルDX改革、根本から変えるべき「KPIの設計哲学」
- 2025-11-26業態別 主要店舗月次実績=2025年10月度
関連キーワードの記事を探す
大胆な発想の転換が必要な時代 ECとQRに対する大きな誤解と新戦略
大パラダイム変化のアパレル、今までとは次元の違う発想が必用な理由
アパレルの離職率低下のためにすべきこと、やってはいけないこととは





前の記事
