新春トップインタビュー③サミット服部哲也社長が語る「新しいSMの創造」、その姿とは?
都市部への侵攻をいっそう強化へ
出店戦略について述べると、コロナ禍での人口動態の変化を受けて出店地を郊外にシフトする気はまったくない。リモートワークの普及などによって都市部の昼間人口は減っているが、居住者まで大きく減少するとは思わないからだ。サミットは都市部でも、人が働く場所ではなく、住む場所に出店してきた。20年7月、オフィスビル内に出店した都市型小型店「神田スクエア店」(東京都千代田区)も例に違わず、そのため上階のオフィスがまだ埋まっていない現在でも売上は計画どおり推移している。今後も都市部のドミナントをいっそう深耕していきたい。
具体的な新規出店数では、20年度は計3店をオープンした。21年度は計4店の計画で、適した物件を獲得できれば、都市型小型店をさらに追加出店したい。また改装についても順次、積極的に進めていく。
18年度から進めてきたデジタル化推進の全社プロジェクト「SDX(サミット・デジタル・トランスフォーメーション)」に関しては、キャッシュレスや電子棚札、セルフレジなどの導入を進めてきた。
DXは、内容によって先行者利益と後発者利益を見極めて、取り組む時期を決める必要があると考える。そうしたなかネットスーパーについては、サミットは過去に1度、親会社の住友商事(東京都)とともに事業に参入し撤退した経緯を踏まえて、究極の“後出しジャンケン”をしたいと考えている。開始時期といった具体策は未定で、現在はサービスのための環境を整備するべく商品マスターの構築を進めている最中だ。(談・文責 編集部)