リテールメディアの着地点をトライアル、電通、サントリーのキーパーソンが語る
トライアルはリテールDXの取り組みの一環として、ここ数年で世界中で市場が拡大しているリテールメディアの領域にも力を入れてきた。同領域においても、メーカーや広告会社などを巻き込み、ネットワークを構築したうえで仮説検証を繰り返している。そこで本稿では、リテールメディアの取り組みで協業するトライアルとサントリー、電通グループという小売・メーカー・広告の3社のキーパーソンに登場してもらい、リテールメディア市場の現状と今後について対談してもらった。
リテールメディアの媒体価値は確実に向上
──まずはそれぞれの視点から、国内のリテールメディア市場の現況をどう見ていますか。
サントリー中村直人氏(以下、中村) 消費財メーカーとしては、いわゆる4マス(TV・ラジオ・新聞・雑誌)への広告出稿を前提としたマスマーケティングが、売上向上に効きづらくなっていると感じています。それは消費や嗜好の多様化、あるいはわれわれのマーケティングや営業戦略との連携不足、メディアパワーの減退など理由はさまざまですが、いずれにしてもこれまでのやり方では通用しない。そんな壁にぶつかったときに、リテールメディアという新しい広告プラットフォームに可能性を見出しているという状況です。
dentsu Japan松永久氏(以下、松永) 私は広告サイドとしての見方になりますが、中村さんがおっしゃるように4マス、とくにTVのメディアパワーはこの20年で大きく変化しています。とにかくGRP(CMの延べ視聴率)を追ってTVCMを打てば、勝手に商品が売れるという時代ではありません。そのため電通でも「メディアニュートラル」の考えで、TVだけではなく、ネット広告やリテールメディアのような新しい広告チャネルまで広く捉えて、クライアントに最適な媒体を提案するような体制になっています。
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Retail AI永田洋幸氏(以下、永田) 流通の立場としては、
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