第64回 このままでは縮小待ったなし!SC事業の第3の収益源とは

西山 貴仁 (代表取締役)
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2023年、国民の行動も少しずつ動き出し、外客も増えたこともあり、消費市場の拡大に期待する。しかし、オリンピックやIR(統合型リゾート)に沸いていた2019年とは、様相も違うし、そう簡単には戻らないだろう。仮に消費が戻ったとしても、これまでの消費志向とは異なる。では、今後、ショッピングセンター(SC)の進む道と必要なノウハウについて論を進めたい。

7maru/istock
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これまでの事業領域と必要な知識

 企業における人材の育成方針は、成長させたいビジネスに沿った知識、経験、ノウハウ、人的ネットワークを高めることが重要である。では、SC事業のビジネス領域とは何か。それはかねてより指摘する通り、SCの収益は不動産とテナント売上高の乗数であり(図表1)、その収益最大化には、①収益物件(不動産)をいかに増やすか、②SCに入居するテナントから収受する売上連動型賃料を増加させるか、③その両方を増やすか、この3つしかない。

 したがって、これまでのSC事業に必要な知識や経験は、不動産とテナント売上高、この2つに重点が置かれている。

SCビジネスモデルの修正

 我が国では、新型コロナウイルス襲来前から都市再生特区や国家戦略特区や立体公園制度などにより多くの都市再開発案件が動いていた。それらは一定の社会貢献施設の設置により建築物の容積率や高さ制限が緩和され、東京都心部では1,000%を大きく超える容積率の高層建物がまさしく雨後の筍のように建設されていたし、これからも続く。

 これら建物はオフィスやインバウンド需要を見込んだホテルも多く、これがまさかのコロナ禍により大きな痛手を負うことになるわけだが、当時、「商業はホテルより利回りが低い」と言われ、建設されるビルから商業施設の排除も散見された。

 しかし、コロナ禍による在宅ワークやオンラインの活用からオフィスだけではなく、商業施設の機能や役割も見直され、これまでのような「不動産×テナント売上高」という単純な図式では収益を確保することができない時代となってきている。

図表2
図表2

 それでも不動産賃貸業は賃料というサブスクモデルであり、災禍の中でも一定の収入を得ていた。しかし、テナント売上高に依存するSCは、人流の減少によるダメージが大きく、固定的な賃料のサブスクモデルでないSCビジネスは、その脆弱性に気づかされることにもなった

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記事執筆者

西山 貴仁 / 株式会社SC&パートナーズ 代表取締役

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。201511月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。岡山理科大学非常勤講師、小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒

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