第63回 SCはECに取り組むべきか(後編)2つのEC参入方式の是非

西山貴仁(株式会社SC&パートナーズ 代表取締役)
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近年、ショッピングセンター(SC)事業者がECに取り組む事例が増えた。しかし、SCがECに取り組むといっても、そこには肝心の「事業戦略」が見えにくいことが多い。今回はなぜSC企業が取り組むECが必ずしもうまくいかないのか、今後はECをどう捉えていくことが良いのか考えていきたい。

metamorworks/istock
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ECに追い上げられるSC
ECの伸長理由

  スマホの普及以降、ECは順調にその取扱高を伸ばし、2021年、SC売上が26兆円に減少する一方、EC21兆円となり、逆転も予想される(図表1、日本SC協会、経産省電子商取引データ)。

図表1 SCとECの売上高推移(筆者作成)
図表1 SCとECの売上高推移(筆者作成)

 EC化率からEC伸長の要因を見ていきたい。物販系のEC化率は、1位(書籍・映像・音楽ソフト)、2位(生活家電・AV機器・PC・周辺機器等)である(図表2、経産省電子商取引調査)。

図表2 2021年物販系EC化率
図表2 2021年物販系EC化率

 この理由を「ECで扱いやすいから」と考える人も多いが、「企業が積極的にEC化に取り組んできた分野だ」ということを見逃してはならない。「フィッティングが必要だから」とECの存在を認めたがらなかった分野である「衣類・服飾雑貨」も、2013年の7.47%から2021年には21.15%まで伸びている。市場の拡大には供給者側の努力も必要という証左である。

コロナ禍が追い風に

 2020年、我々を襲ったコロナ禍は店舗の休業と外出自粛を要求しECが大きく伸びる一方で衣類等の売上を減少させた(図表3、商業動態統計)

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