アジアで急拡大、米国も3年で売上3倍!「バロックジャパンリミテッド」の海外戦略とは

2022/10/26 05:59
    野澤正毅
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    バロックジャパンリミテッド(東京都/村井博之社長)は、海外でも成功している数少ない日本発SPA(製造小売)だ。海外市場を開拓できた背景には、マーケティングに裏打ちされた、同社の巧みなブランディング戦略があった。中国では、先行して直営店で成功モデルを作り、有力なビジネスパートナーと二人三脚で事業を急拡大。日本のファッションにとって壁が厚い米国市場も、欧米で定評がある「メード・イン・ジャパンのラグジュアリーデニム」で突破した。さらに、タイやインド、インドネシアなどアジアの新興国市場も、虎視眈々と狙う。

    米中市場を開拓できるかどうかで、SPAの成否が決まる

    中国マウジー店舗
    中国マウジー 成都市中心部の商業施設「仁和春天国际广场(RENHE)」内

     バロックジャパンリミテッドは、「ギャル系ファッション」のリーディングカンパニーとして出発しながら、多ブランド戦略が奏功し、今や約20ものブランドを擁する総合ファッションSPAに成長している。その大きな原動力となっているのが、海外事業だ。

     今までに海外市場に挑戦した日本のSPAは少なくないが、海外事業を軌道に乗せたのは、ファーストリテイリングなど数えるほどと言ってもいいだろう。バロックは、そうしたレアな成功例の一つなのだ。成功の秘訣は、何だったのだろうか。

     バロックは2008年、ショッピングモールでの郊外型店舗展開をメーンとする、新ブランド「アズール・バイ・マウジー」の出店をスタートした(前編を参照)。実は、海外事業に着手したのはそれよりも早く、2006年には海外第1号店として、主力ブランド「マウジー」の香港店をオープン。さらに、台湾でも約10店舗を出店するなど東アジアでの事業展開を進め、2009年には中国本土への進出も果たした。その背景について、同社の村井博之社長は、次のように説明する。

     「日本は少子高齢化で、ファッションの牽引役である若者が激減している。ファッションビジネスのチャンスが失われていくのも、火を見るよりも明らかだった。日本のファッションビジネスが活路を見出そうとすれば、海外市場しかない。消費市場として世界第1位は中国、第2位は米国。両国のアパレル市場規模は、今や日本の5倍以上に達している。この巨大マーケットを開拓できるかどうかが、ファッションSPAの成否を分けると言ってもいい。そこで当社としても、米中市場に何としても食い込むという、中長期的な成長戦略を掲げた」

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