日本での販売は序章 アダストリアが担うフォーエバー21の真の戦略とは
フォーエバー21が苦戦した理由
私は、そもそも、ファストファッション悪者説に異を唱える立場だ。なぜなら、ファストファッションを批判する人達に、それでは、ファストファッションの定義をいってみよ、と問うてもバラバラの意見がでてきて、彼ら彼女たちはなんとなく、使い捨てのイメージからゴミをだし環境破壊をしている、という安直な発想で「イメージ」で話していることが分かる。
それでは、安くてファッショナブルな商品が楽しめるg.u.(ジーユー)は、ファストファッションなのかといえば答えに詰まるし、今、
実際に、多くの若者と話してお買い物に付き合えぱよい。
さて今回の、フォーエバー21再上陸には、いくつかのカラクリがある。9月21日、22日の日経新聞の報道からそれを読み解いてみよう。
まず、新生フォーエバー21は、SDGsに配慮し、80%のMDは、アダストリアのサプライチェーンで生産され、アダストリアの企画でデザインされ、価格はg.u.はおろか、ユニクロよりも高額だという。さらに、型数は1/10に絞られ、リアル店舗も従来の迫力のあるかつての3000㎡の大型店舗から、これも1/10になる。
つまり、名前はフォーエバー21だが、売られている商品はアダストリアの衣料品とコスパもデザインも変わらないことになる。私も、このニュースが報じられたとき、アダストリアはZ世代を囲い込むシーイン対策だと思った。だが、ユニクロより高価ということになると、高価格に合理性を与える理由が、市場の5%未満に過ぎない「
さらに、リプロ(リプロダクションの略で、本国にデザイン使用料を払って他国で生産すること)マスターライセンスは、伊藤忠商事だ。したがって、新生フォーエバー21には、伊藤忠商事にライセンス料を払わねばならなず、当然、販売計画を下回ったときのペナルティ条項なども初期的にはかかる。つまり、世界標準のD2Cのような「破壊的ビジネスモデルへの転換」がない、ライセンス料を払う単なるリプロに過ぎないのだ。単なるリプロはこの10年で、ファーストリテイリングやTSI holdings、三陽商会など多くの企業がトライするも、ラルフローレンやバーバリーなどごく僅かな例を除いて成功して
では、アダストリアの真の狙いはどこにあるのか?
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