ZARAとユニクロだけがなぜ余剰在庫を撲滅できるのか?本人達も気づいていないメカニズムとは
みんな誤解している、ユニクロ「リードタイムを短くする」の真意とは
「消費者が必要な商品を必要な量だけ販売する」と言っているのはあのファーストリテイリングも同じだ。21年10月14日に行った期末決算発表で、「有明プロジェクト」の責任者である田中大・グループ執行役員は繰り返し、「これからは素材を備蓄し、生産リードタイムを短くする」を語っていた。
しかし、彼の使っている「リードタイム」という言葉は厳密には、「縫製リードタイム」だ。https://www.fastretailing.com/jp/ir/library/earning.html
「縫製リードタイム」と、「生産リードタイム」の違いを理解している人はほとんどいない。リードタイムの起点は、「リスクを持つとき」だから、素材を確保した時点で計測タイムがはじまり、素材の備蓄などしたら、生産リードタイムはこれまで以上に長期化することを分かっていない。田中氏は、トレンドリードタイムを短くしようとしているわけで、素材の備蓄をすれば「生産リードタイム」は、私が言うように長期化する。
田中氏は、コンサルティング会社出身だから、こうした「
ファーストリテイリングの田中執行役員がいっているのは、
工場の生産ライン確保はそれほど難しいものではない。例えば、工場はシェアが高まれば、得意先のいうことを聞く。そんなことは、天下のファーストリテイリングにとってわけない芸当だが、逆に、いままでそれをやってこなかったのかと思うと、そちらの方が驚きだ。さらに、素材の備蓄もこわくない。まず、天然繊維にしても化合線繊維にしても、保存状態がよければ3年から5年は劣化しないし天然繊維などはむしろ風合いがよくなるぐらいだからだ。
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