冠婚葬祭と制御効果

2011/09/15 07:52
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 私「最近、冠婚葬祭の大事さを実感しています」

 

 Hさん「冠婚葬祭の冠は成人式、婚は結婚式、葬は葬式、祭は先祖の霊を祀る法事のことだよね」

 

 私「どれも大事だと思うんだけれども、特に感じるのは結婚式と葬式かな」

 

 Hさん「どうして」

 

 私「2010年の数字では婚姻件数70万6000組に対して25万1000組が離婚。大体、3組に1組のカップルが離婚する時代だけれど、ジミ婚が増えていることと離婚が増えていることの相関関係があると思うからなんです。昔の結婚式・披露宴は仲人を立てて、多くの人を呼んで、承認になってもらい結婚式を進めていった。でもジミ婚は2人きりでもできる。究極は、婚姻届に2人の氏名を書いてハンコを押して役所に出すだけの夫婦もいる。ジミ婚と離婚件数増加の因果関係については分からないけれども、結婚式には意味合いがあるんだと思う。あれだけ難儀の末に結婚したのだからと離婚抑制効果もあるんじゃないかな」

 

 Hさん「そうかもしれないね。手続きとしての結婚は手続きとしての離婚につながるというキミの考えは分かるよ。葬式の場合はどうなの?」

 

 私「葬式の場合は、死者を弔うということが最優先事項だけれども、密葬にせず、参列者を集め、どんな個人でも死んだら、悲しみに暮れる人たちがいることを参列者に見せることがとても大切なことだと思うんだよね。だから、葬式の場では、故人を偲んで大いに泣くことがいいと思う」

 

 Hさん「どうして」

 

 私「参列していた人たちの1人が、何かの理由で自殺を考えた時に、ふと、悲しんでいた人たちを思い起こせば、制御効果があるかもしれないと思うんだよね」

 

 Hさん「なるほど」

 

 私「2010年の自殺者数は3万1560人――。1年間に3万人超が自殺する社会というのは明らかにおかしいでしょ。冠婚葬祭を形式化させ、しっかりとやらない風習が定着してしまったことが、この惨劇の原因のひとつだと考えているんですよ」

 

 Hさん「そうかもしれないね。いずれにしても、冠婚葬祭を堅苦しいものとして馬鹿にせずにしっかりとちゃんと行うほうがいいというキミの考えは分かりました」

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