イトーヨーカ堂
収益性改善に向けた抜本的変革と成長施策に注力
セブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカ堂の2023年度(24年2月期)業績は、営業収益8149億円(前年度比11.7%増)、営業損失12億円(前年度は営業利益4億円)、経常損失2億円(前年度は営業利益10億円)、当期純損失259億円(前年度は純損失152億円)だった。イトーヨーカドーの出店はなく、3店舗を閉鎖した結果、23年度末店舗数は123店舗となった。また、23年9月に吸収合併したヨークが運営していたヨークマート、ヨークフーズなどは2店舗を出店し、2店舗を閉鎖した結果、23年度末店舗数は103店舗となった。
イトーヨーカ堂が注力するのが、収益性改善に向けた抜本的変革と成長施策の実行だ。ヨークの吸収合併もその一環で、合併によるシナジーおよび運営効率を最大化することによる販売力の強化とともに、販管費削減や生産性改善に取り組んでいる。また、プロセスセンターやセントラルキッチン、ネットスーパーなどの戦略投資インフラを稼働させた。セントラルキッチンは総菜の売上構成比を高めるための重要インフラと位置づけ活用を進めている。23年度はヨークとの合併に伴い売上高は前年を上回ったものの、12億円の営業損失となったのは戦略投資インフラ整備に伴うコスト増によるものだ。
店舗網の首都圏へのフォーカスの点では、24年2月に北海道・東北・信越エリアの一部店舗について、ヨークベニマル、ダイイチおよびOIC(オイシー)グループと事業承継に関する契約を締結した。首都圏へのフォーカスは抜本的変革プログラムの一つだ。24年度中に施策を完了し、25年度に効果を発揮することをめざしている。店舗閉鎖はペースで進捗しており、25年度から93店舗体制で臨めるように24年度中に93店舗体制にする計画だ。自主アパレル事業からの撤退や店舗数減少に合わせた組織規模・人員の適正化、間接部門の再編も進めている。また、ヨークの吸収合併により本部の商品部機能を統合した。24年度業績は、営業収益8475億円(23年度比4.0%増)、営業利益54億円を見込んでいる。