ヨーカ堂、中京・関西圏で存続へ=東北で店舗承継も―井阪セブン&アイ社長

時事通信社
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セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長
〔写真説明〕インタビューに答えるセブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長=2日午後、東京都千代田区(時事通信社)

 セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長は2日、時事通信のインタビューに応じ、傘下のスーパー大手イトーヨーカ堂の店舗削減について「中京、関西地方で利益が出ている店舗は残したい」と述べた。業績不振で今後3年間に30店超を閉鎖し、店舗網を首都圏中心にする方針を示していたが、他の大都市圏でも一定程度存続させる考えを明らかにした。

 食品スーパー子会社ヨークベニマル(福島県郡山市)を展開する東北地方などでは、「(ベニマル側にヨーカ堂の事業を)承継して店舗を残すケースもある」と語った。

 ヨーカ堂については、収益を改善して上場させる案を検討するほか、「ヨーカ堂が一番成長できるパートナーとの資本提携も選択肢の一つだ」と話した。グループ内では、まずヨーカ堂と首都圏地盤の食品スーパー、ヨークを統合し、経営を効率化。将来的には高級スーパーのシェルガーデンも加えたい考えだ。ベニマルに関しては「今すぐ(ヨーカ堂と)統合するのは難しい。まずは首都圏で立て直す」と語った。

 ヨーカ堂の協力の下で生鮮野菜や冷凍食品の品ぞろえを拡充するコンビニの新業態「SIPストア」(仮称)に関しては、9~10月にも千葉県内に2店舗ほど出店する計画を明らかにした。

 米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループへの売却を決めた百貨店子会社そごう・西武を巡っては、ファンドへの譲渡手続きが完了していない。西武池袋本店(東京都豊島区)に家電量販大手が入居する計画に地元の反発が大きいためで、井阪氏は「もう少し時間が必要だ」と述べた。秋田や福井の地方店については「事業を継続する条件で譲渡を決めた」と明かし、当面は存続するとの見通しを示した。

 井阪氏は、別の米投資ファンド、バリューアクト・キャピタルから今月25日の定時株主総会で退任を要求されている。井阪氏は、自らの正しさは「絶対株主に伝わる」と自信を示した。

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