近商ストア社長 粕本源秀
「来年度から新規出店を再開する」長期目標は売上1000億円

2018/09/15 00:00
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1店で1日1000個!ヒット商品のおにぎり

──現在、力を入れる部門、売場は何ですか。

粕本 調理(総菜)部門です。女性の社会進出、単身世帯の増加、高齢化により、買ってすぐ食べられる商品の需要が拡大しています。既存店改装でも売場を拡大、品揃えを充実させています。

 インストア比率は6割程度にして、できたて、つくりたてを提供する方針です。中でも揚げ物をしない家庭が増えており、天ぷらやフライものを積極的に売り込んでいます。規模が小さい店では、特定の商品に絞って店内加工するケースもあります。たとえば京都店は調理スペースがほとんどないのですが、俵型のおにぎりだけは店内加工して販売しています。手作り、おいしさにこだわった商品で、1日1000個が売れる人気商品です。成功事例のひとつで、既存店にも徐々に波及させています。

 

──競争が激化する中、商品の打ち出し方も工夫しているそうですね。

味、品質、産地などにこだわった商品を独自ブランド「ハーベスクオリティ」で売場展開している

粕本 今年5月から、当社の独自ブランド「ハーベスクオリティ」をスタートさせました。素材や味、製法、産地などにこだわった商品をこのブランドで打ち出し、売場展開しています。生鮮食品が中心で、該当する商品にはおいしさやこだわりのポイントを説明するPOPを添えています。

 

──近年は人材確保難が続いていますが、店舗、部門の効率運営の取り組みはありますか。

粕本 昨年4月、「南港プロセスセンター」を開設しました。畜産がメーンで一部、水産物の加工も手掛けます。畜産は、牛肉と豚が中心。大型店は原則、インストア加工ですが、小型店ではPCを活用、品揃えの7割がPC経由の店もあります。今後、効率的な店舗運営のため、農産分野でもPCを新設することも検討しています。

売場づくり、テーマは「祭」

──経営方針のひとつ「売場づくり」では、楽しさも提供するとのことでした。具体的には、どのような施策がありますか。

販促「ビンゴ」が好評。実施日は売上高、来店客数とも平常に比べ5~6%上がるという
「祭」をテーマに売場づくりを行う。粕本社長もインタビュー中、「祭」をイメージさせる法被を着て対応

粕本 3年前から始めた、カード会員を対象にした販促に「ビンゴ」があります。縦横、複数のマス目が描いてあるカードに、1回の買物額1000円以上で、日付のあるマスを埋めていきます。1列揃うと30ポイント、2列60ポイント、8列パーフェクトで250ポイントを付与しています。月により、特別ポイントを設定したり、ほかの販促日と重ねて実施したりするなど変化を持たせています。実施日は、平常時に比べ、売上高、来店客数とも5~6%上がり好評です。

 またここ数年、「祭」をテーマにした売場づくり、販促を行っています。近商ストアに行けば、何か楽しいことがあると思ってもらえるような企画を工夫。購買頻度の高い商品は価格訴求する一方、お客さまに買い物が楽しいと思ってもらえるような施策に取り組んでいます。これにより販売は順調。14年1月から17年1月まで、既存店売上高が、連続26カ月で前年を上回ったほか、18年3月期もすべて前年実績をクリア、今期に入っても総じて好調です。

 

──店舗以外では、今年4月から移動販売を始めています。

粕本 4月から移動スーパー「とくし丸」と提携しサービスを開始しました。近商ストアのブランドが定着したエリアで、高齢化が進む商圏を持つ店舗という基準から、まず生駒店(奈良県)で、1台の軽車両を導入しました。今後、20台をメドにサービスを広げます。

 一方、ネットSMは現在5店で展開、利用者は伸びており採算ベースに乗った店もあります。これら店舗以外のサービスも充実、近商ストアのファンを増やしていきたい。

 

──最後に、今後の目標を教えてください。

粕本 営業利益率1%台です。効率的に精算業務ができるセルフレジの導入を進めるほか、効率化をねらった施策により早期に達成したい。長期目標は売上高1000億円です。18年3月期は651億円であり、今後、新規出店により着実に事業規模を拡大できればと考えています。

 

 

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