観光業に歓迎ムード=コロナ「5類」、マスクには慎重―産業界

時事通信社
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上野のアメ横商店街
〔写真説明〕上野のアメ横商店街=18日午後、東京都台東区(時事通信社)

 新型コロナウイルスが感染症法上「5類」に移行される方針となったことを受け、観光業界では、人の往来がさらに回復すると歓迎ムードが広がった。一方、マスク着用などに関しては、今後の政府の検討状況を踏まえ、対応を慎重に見極めようとする企業も目立つ。

 「コロナと共生して社会経済活動を行うことが一番の経済対策だ」。日本商工会議所の小林健会頭は20日の記者会見で、5類移行を支持した。

 特に前向きに受け止めるのが観光業界。昨秋の大幅な水際対策緩和で訪日外国人は急増したが、入国時にワクチンの3回接種か陰性証明が必要なことが「回復の足かせになっている」(日本旅行業協会)とみられてきた。

 こうした規制が緩和されれば、「国内外の往来や経済活動の活性化につながる」(芝田浩二ANAホールディングス社長)。旅行会社からは、日本人の海外旅行の自粛が解消されると期待する声も上がる。

 一方、屋内でのマスク着用を巡って、飲食業などは難しい判断を迫られそうだ。日本フードサービス協会は現在、指針に基づき各店の従業員に着用を求めている。同協会は、着用不要となれば「指針も変更すべきだ」(石井滋常務理事)との立場だが、現場には「お客さまがどう思うか分からない」(飲食チェーン大手)との不安が消えない。

 各社は「世間の風向き」(大手製造業)にも注意を払う構えだ。

 また、コロナ禍で導入した在宅勤務をどうするかについて、大半の企業は「政府の指針を見定める」(通信大手)方針。しかし、オンライン会議などは新しい働き方として定着し、既にオフィスを縮小した企業もある。「完全出社には戻さないだろう」(自動車大手)との指摘も多い。

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