GDP、年0.8%減に上方修正=消費下振れ、在庫はプラス―7~9月期改定値

時事通信社
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内閣府
〔写真説明〕内閣府(時事通信社)

 内閣府が8日発表した2022年7~9月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.2%減、この成長ペースが1年続いた場合の年率換算で0.8%減となった。先月発表の速報値(前期比0.3%減、年率1.2%減)から上方修正された。新型コロナウイルス禍で個人消費が速報段階より振るわなかった一方、企業による在庫の積み増しが寄与し、小幅な上方修正となった。

 22年1~3月期がマイナス成長に改定されたため、7~9月期は2四半期ぶりのマイナス成長となった。
 内需の柱である個人消費は前期比0.1%増(速報値は0.3%増)に下方修正。コロナ感染「第7波」の影響で、速報段階でプラス成長だった外食や旅行などのサービス消費が小幅なマイナスに転落した。

 一方、民間在庫の変動がGDPの増減に与える影響(寄与度)はマイナス0.1%からプラス0.1%に上方修正された。原油など原材料の在庫を積み増す動きが見られた。企業による設備投資は前期比1.5%増で変わらなかった。
 物価変動の影響を反映し、生活実感に近い名目GDPは前期比0.7%減、年率2.9%減となり、速報値(前期比0.5%減、年率2.0%減)から下方修正された。

 同時に発表した21年度のGDP確報値は実質が前年度比2.5%増、名目で2.4%増だった。

 年換算の実質GDP実額がコロナ禍前の19年10~12月期(542兆円)を上回った時期はこれまで22年4~6月期としてきたが、改定の結果、21年10~12月期(544兆円)に既に上回っていた。

 ○7~9月期のGDP改定値
◇実質成長率   ▲0.2(▲0.3) 年率換算 ▲0.8(▲1.2)
◇寄与度  内需  0.4 (0.4)
      外需 ▲0.6(▲0.7)
◇主要項目
 個人消費     0.1 (0.3)
 住宅投資    ▲0.5(▲0.4)
 設備投資     1.5 (1.5)
 民間在庫     0.1(▲0.1)
 公共投資     0.9 (1.2)
 輸出       2.1 (1.9)
 輸入       5.2 (5.2)
◇名目成長率   ▲0.7(▲0.5) 年率換算 ▲2.9(▲2.0)
(注)カッコ内は速報値。数値は前期比伸び率%、寄与度は%。民間在庫は成長率への寄与度。▲はマイナス

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